【木曜日のしかけ#3】1日2ページ指導者の条件
木曜日は経営言動、すなわち社長の言動に関する「7秒しかけ」を紹介していきます。社長の言動は幹部や社員のモチベーション、社長への信頼度に大きな影響を与えます。
今回は、人間力についての「7秒しかけ」を紹介していきます。
0 7秒しかけとは(1度読んだ方は読み飛ばしてください)
「7秒しかけ」とはしかけ研究家白潟敏朗と白潟総研のコンサルティング経験・ノウハウをベースに、次に示す習慣化の4つの技術を活用し開発したしかけです。
① 小さな行動から始める
~ 小さすぎてばかばかしいと思う行動が習慣になる(小さな習慣) ~
② If thenプランニング(もしXだったらYをする)
~ 「◯◯した時に□□する」で実行率アップ ~
【If-Thenプランニングの例】
・ 帰りに電車にのったら、明日見る動画の1行ゴールを書く
・ 行きの電車にのったら、ロジカルシンキング動画を1本見る
・ お風呂に入る前に、腕立て5回する
・ 先輩・上司に声をかけられたら、メモ帳を出す
できたら、自分を褒めましょう「よくできた!」
③ 20秒ルール
~ 始めるまでにかかる時間を20秒短くする ~
何かを始めるまでの手間を20秒短縮すると、20秒分の手間のかからなさが、頭によぎる「面倒くさい」を遠ざけ、「気がついたらやっていた」という達成感につながります。
20秒以内にすぐにやれるように準備することが大事!
④ マジックナンバー4
~ 週4回以上の実践で習慣化しやすい ~
習慣化の4つの技術に加え、最近流行りの行動経済学も活用しています。
特にナッジ理論「行動科学に基づいた小さなきっかけで人々の意思決定に影響を与え、行動変容を促す手法・戦略」を活かすことで、より簡単に実行できる工夫をしたしかけです。
具体的には1秒から7秒で実行でき小さな成功により少しだけ自信がつき、気がつけば習慣になっている、そのような効果のあるしかけです。7秒以内で実行できるので「7秒しかけ」と呼んでいます。
1 1日2ページ指導者の条件とは
社長、すみません。
突然ですが、私の30代での失敗談にお付き合いください。
私は30代前半でデロイトトーマツグループにてISOコンサルティングビジネスの立上げを任されました。
任されてから業績は好調で、売上は初年度から3億、その後7億、10億へと拡大し営業利益率30%の高収益ビジネスに立ち上がりました。
立上げに成功した私は謙虚さを失い、成果を上げない社員に厳しくあたり社員からは恐れられる経営者でした。
お世辞にも人間力がある経営者ではなかったですし、お客様満足と社員の成長、業績さえ良ければそれでいいんじゃないかと考えるような人間でした。
そんな時に、辞めた社員からの報告(いわゆるトップへのチクリ)で監査法人トーマツのNo.2から呼び出しがかかりました。
え!こんなに業績上げてるのにトップに叱られるの?
冗談じゃないよ!
説教されたら「誰のおかげでこんなに業績がいいんだ」とNo.2に言ってやろうと心に決め、No.2との会食に向かいました。
ところが、No.2からは『白潟さん、若いのに頑張ってますね!素晴らしい業績ですよ』とほめられるだけ。
すっかり拍子抜けしてしまった私に、会食の最後『白潟さん、もう30代なんだから言葉遣いには気をつけたら?』とNo.2からアドバイスをもらいました。
私を変えたこの言葉!
27年たった今でも鮮明に覚えています。
冷静に振り返ると、
・ ボケ!何考えてんだ!
・ マジできがわるいな!もっと深く考えろ!
・ そんなんじゃダメだろ!ボケ
とにかく乱暴な言葉を社員に浴びせていました。
今なら間違いなくパワハラです。
No.2のアドバイスをきっかけに、自分の人間力のなさを改めて実感し人間力を高めていく第一歩を踏み出せました。
この頃から人間学や人間力に関する本を読み、学んだことが実践できてるかどうか振返り始めました。
その時、心に残った本の一節を紹介します。
テーマは「謙虚である」
少しずつではありますが指導者として正しい言動を心がけ実践するようになっていきました。
私の失敗談にお付き合いしてもらい本当にありがとうございます。
私のような失敗をする社長はいないかもしれません。
・ 指導者としてどのようなあり方がいいのか?
・ 人間として何が正しいのか?
このようなことを学び、日々振り返ってみてはどうかなと感じ、
今回の7秒しかけを社長に提案させてもらいます。
日々、人格を高め人柄を良くする努力をし高い人間力をもっている社長、ここまで読んでもらいありがとうございます。
それでは、7秒しかけ提案します。
「1日2ページ指導者の条件」
『え!白潟さん、何?』
社長、わかりにくくてすみません。
「指導者の条件」という文庫本を、1日2ページずつ読んではどうでしょうか?
そんなしかけです。
『「指導者の条件」って誰の本?』
もちろん、私の本ではありません。
松下幸之助の本です。
先ほど紹介した「謙虚である」も、「指導者の条件」からの引用です。
松下幸之助が、古今のすぐれた指導者のあり方を学ぶためにPHPの研究員にそうした人たちの言行を調べさせ102の事例にまとめた本です。
松下幸之助があまり好きじゃない社長、既に読んだ社長は
類似の本で実践してください。
・ 新訂経営の行動指針/土光敏夫(産能大学出版部)
・ 心を高める、経営を伸ばす/稲盛和夫(PHP)
『1日2ページでいいの?』
社長、質問ありがとうございます!
はい。まずは、2ページから始めてはどうかなと思い提案しました。
実は、「指導者の条件」1テーマ2ページなんです。
古今のすぐれた指導者のあり方を、
1テーマ(2ページ)ずつ読み、振返ってもらい翌日に生かしてもらえたら。
社長への、そんな願いを込めました。
【古今のすぐれた指導者のあり方のテーマ(一部)】
・ あるがままにみとめる
・ 一視同仁(いっしどうじん)
・ 諫言を聞く
・ 原因は自分に
・ 周知を集める
・ 大将は内にいる
・ 人間観を持つ
・ 理外の理
忙しい社長には冒頭で紹介した習慣化の技術「If thenプランニング(もしXだったらYをする)」、「20秒ルール」が活用できるしかけがいいかなと思い1日2ページを提案しました。
★ 風呂場に本を置いておき、お風呂にはいったら2ページ読む
★ トイレに本を置いておき、トイレにはいったら2ページ読む
★ ベットのそばに本を置いておき、ベットにはいったら2ページ読む
★ 鞄に本をいれておき、電車に乗ったら2ページ読む
『白潟さん、7秒では2ページも読めないよ!』
社長、失礼いたしました。
先ほど引用した文章くらいであれば7秒でも読めるので、2ページ全部を読まなくてもいいです。社長が気になったところだけ読んでください。
もちろん、2ページ全部、3ページ以上読んでもらってもいいとは思います。
ここまででいかがでしょうか?
もし、「1日2ページ指導者の条件」を気に入ってもらえたら
実践してください。
2 アンカー(「1日2ページ指導者の条件」を思い出させるきっかけ)
「1日2ページ指導者の条件」を実践するきっかけを次に示します。
・ お風呂にはいったら
・ トイレにはいったら
・ ふとんにはいったら
・ ベットにはいったら
・ 電車に乗ったら
社長に合ったきっかけ、「1日2ページ指導者の条件」を実践してください。
3 今すぐ準備しましょう
「1日2ページ指導者の条件」を実践するには次の準備が必要です。
今すぐ準備しましょう!
① 「1日2ページ指導者の条件」の購入
② 「1日2ページ指導者の条件」を置いておく
・ 風呂場、トイレ、ベッドの横、寝室、鞄の中等に本を置いておきましょう
4 いつから実践しますか?
「1日2ページ指導者の条件」いつから実践しますか?
実践したいと思った社長は今ここで実践時期を決めましょう!
・ 今日から
・ 明日から
・ 今週の土曜日から
・ 今週の日曜日から
・ 来週の月曜日から
決めた実践時期を手帳やカレンダーに書き込んでください。
「1日2ページ指導者の条件」実践と記入した付箋を手帳やパソコンに
貼ってもいいです。
「1日2ページ指導者の条件」の紹介は以上でおひらきです。
社長の人間力が更に高まり、人望が厚くなることを心から願っております。
実践したらX(Twitter)への投稿、またはNoteへコメントしてもらえたら嬉しいです!
今日も、「日刊7秒しかけ」を読んでくれてありがとうございます。
「1日2ページ指導者の条件」の7秒しかけを気に入ってもらえたら、
「日刊7秒しかけマガジン」のフォロー頂けると嬉しいです!
それでは、また明日!明日はフツーの会社のすごいしかけです