【水曜日のしかけ#19】ほめるより承認7点セット
水曜日はマネジメントに関する「7秒しかけ」を紹介していきます。
突然ですが、上司の皆さんはメンバーをほめるのが得意ですか?
『白潟さん、私はほめるのは得意です』
素晴らしいですね!ぜひ継続してください。
ところで、ほめるの落とし穴には落ちてないですか?
『えぇー!ほめるの落とし穴って何ですか?』
次の4つの落とし穴です。
落とし穴①:特定のメンバーだけをほめる
特定のメンバーだけをほめると依怙贔屓だと誤解されてしまいます。
落とし穴②:みんなの前でほめる
同じことをしたメンバーをみんなの前でほめなかったら、そのメンバーはモチベーション下がってしまい上司への信頼感も無くなります。記憶力か記録作成力に自信のある方は落ちないでしょう。
落とし穴③:ほめすぎる
ほめすぎるとほめられないとやらない、ほめるためにやるという行動を誘引してしまいます。
落とし穴④:期待をこめてほめる
期待を込めてほめ過ぎるとメンバーが負担や恐怖を感じたりします。
4つの落とし穴には落ちてなさそうですか?
落ちてなければ大丈夫ですね。
ここまで読んでもらいありがとうございます。
『白潟さん、私はほめるの得意でないです。なんてほめればいいのか悩んでしまいます』
そうですか、そんな上司には次のメッセージを贈ります。
無理にほめなくていい!
『えぇーー!本当にそれでいいんですか?』
はい、大丈夫です。
ただ、「ほめる」でなく「認める」はしましょう!
それでは、7秒しかけ「ほめるより承認7点セット」
詳しく紹介していきます。
0 7秒しかけとは(1度読んだ方は読み飛ばしてください)
「7秒しかけ」とはしかけ研究家白潟敏朗と白潟総研のコンサルティング経験・ノウハウをベースに、次に示す習慣化の4つの技術を活用し開発したしかけです。
① 小さな行動から始める
~ 小さすぎてばかばかしいと思う行動が習慣になる(小さな習慣) ~
② If thenプランニング(もしXだったらYをする)
~ 「◯◯した時に□□する」で実行率アップ ~
【If-Thenプランニングの例】
・ 帰りに電車にのったら、明日見る動画の1行ゴールを書く
・ 行きの電車にのったら、ロジカルシンキング動画を1本見る
・ お風呂に入る前に、腕立て5回する
・ 先輩・上司に声をかけられたら、メモ帳を出す
できたら、自分を褒めましょう「よくできた!」
③ 20秒ルール
~ 始めるまでにかかる時間を20秒短くする ~
何かを始めるまでの手間を20秒短縮すると、20秒分の手間のかからなさが、頭によぎる「面倒くさい」を遠ざけ、「気がついたらやっていた」という達成感につながります。
20秒以内にすぐにやれるように準備することが大事!
④ マジックナンバー4
~ 週4回以上の実践で習慣化しやすい ~
習慣化の4つの技術に加え、最近流行りの行動経済学も活用しています。
特にナッジ理論「行動科学に基づいた小さなきっかけで人々の意思決定に影響を与え、行動変容を促す手法・戦略」を活かすことで、より簡単に実行できる工夫をしたしかけです。
具体的には1秒から7秒で実行でき小さな成功により少しだけ自信がつき、気がつけば習慣になっている、そのような効果のあるしかけです。7秒以内で実行できるので「7秒しかけ」と呼んでいます。
1 「ほめるより承認7点セット」とは
先ほど、「ほめる」でなく「認める」を提案しました。
もちろん、理想は「ほめる」と「認める」の両方ができることです。
ただ、ほめるのが苦手な方が無理にほめて、口先だけになったりおだてたりするとメンバーにバレてしまい信頼を失ってしまうリスクもあります。
上司が心を込めメンバーを適切に認めれば、メンバーにその気持ちが伝わりほめるのと同等の効果を得られます。
7秒しかけ「ほめるより承認7点セット」で「認める」ことに慣れてきた後に「ほめる」に移行すればいいかと思います。
まず、「認める」の意味からおさらいしましょう。
「認める」というとよしとする意味だと思いがちですが、広辞苑にある通り「よく気をつけてみる」「目にとめる」等の意味もあります。
承認には次の4種類があります。
① 存在承認
「そこにいること、そのもの」を認めること
② 行動承認
「行動そのもの」を承認すること
③ 成長承認
メンバーの過去と現在を比較し成長を認めること
④ 成果承認
行ったことの結果や成果を認めること
既に実践している上司もいるかと思いますが、
まずは、実践が簡単な存在承認からやりましょう。
7秒しかけ「ほめるより承認7点セット」の4つの紹介です。
承認①:メンバーと目を合わせる
上司とメンバーが会話をしている時はメンバーの目を見て話しましょう。2人で重要な決定を行う時もメンバーの目を見ましょう。目を見ることがメンバーの存在を承認していることにつながります。
承認②:名前を呼んで挨拶する
朝、メンバーが出社した時には、メンバーの目を見ながら『○○さん、おはようございます!』と挨拶しましょう。メンバーは朝一から、上司に自分の存在を認めてもらい少し嬉しくなります。
承認③:名前を呼ぶ
メンバーに声を掛ける時は、メンバーの目を見ながら『○○さん、・・・・・』と声をかけましょう。
詳細は、7秒しかけ「名前をつけて呼ぶ」を読んでください。
承認④:メンバーの変化に気づく
髪型を変えた、服装を変えた、鞄が変わった等のメンバーに変化に気づき『〇〇さん、xx変えた!似合ってるね』等と声を掛けてあげましょう。広辞苑で定義されていた「認める」の意味「よく気をつけてみる」の実践です。
つぎに「ほめるより承認7点セット」から「感謝」と「ねぎらい」の紹介です。
承認⑤:感謝
メンバーに『〇〇さん、ありがとう!』を声に出して伝えましょう。口頭で伝える以外にも「メール」「チャット」「カード」等でも『ありがとう!』を伝えるのは有効です。
厳密に言うと『ありがとう!』は承認ではないかもしれませんが、メンバーの行動に対して感謝の気持ちを『ありがとう!』と伝えているので行動承認になります。
承認⑥:ねぎらい
メンバーに『〇〇さん、大変だったね!』等メンバーへねぎらいを声に出して伝えましょう。
厳密に言うと『ねぎらい』も承認ではないかもしれませんが、メンバーの行動に対してねぎらいの気持ちを伝えているので行動承認になります。
最後に「ほめるより承認7点セット」から「過去より現在」の紹介です。
承認⑦:過去より現在
他の社員と比べるのではなく、メンバーの過去と現在を比べその事実を伝えます。
例えば、1週間で5件ミスしたメンバーが翌週の1週間でミスが2件に減っていたら、その事実をメンバーに『ミスが2件になったね』と伝えます。
理想はミスが0件にならないと認められませんが、1週間でミスの数が減ったことはメンバーの中では小さな成長です。
認めるというより小さな成長の事実を上司から伝えることで、メンバーにとっては自分の成長を上司から認められていると思ってくれるでしょう。成長承認になります。
いかがでしたでしょうか?
ほめるのが得意でな上司は、
無理にほめなくていい!
ただし、「ほめる」でなく「認める」はしましょう!
7秒しかけ「ほめるより承認7点セット」
承認①:メンバーと目を合わせる
承認②:名前を呼んで挨拶する
承認③:名前を呼ぶ
承認④:メンバーの変化に気づく
承認⑤:感謝
承認⑥:ねぎらい
承認⑦:過去より現在
気にいってもらえたら、ぜひ活用してください。
2 アンカー(「ほめるより承認7点セット」を思い出させるきっかけ)
きっかけがなくても実践できる上司は、今すぐ実践しましょう。
きっかけがあった方が「ほめるより承認7点セット」を実践しやすい上司は
「メンバー」をきっかけにしましょう。
次の条件に合うメンバーをきっかけにしてください。
・ 人間関係ができている
・ コミュニケーションを取っている
・ 話しかけやすい
3 今すぐ準備しましょう
準備しなくても実践できる上司は、今すぐ実践しましょう。
そうでない上司は「ほめるより承認7点セット」を実践するには
次の準備が必要です。今すぐ準備しましょう!
① 週4回以上の実践状況のチェックシート作成
前述したマジックナンバー4(週4回以上の実践で習慣化しやすい)を実践する準備です。準備の例を次に示します。
・ 「XXさんに「ほめるより承認7点セット」」と4枚のふせんに書く
(実践したらふせんをすてる!)
・ 1枚のふせんに「ほめるより承認7点セット」と4回のチェック欄を書く(実践したらレチェックをいれる、4回チェックしたらすてる!)
② ①のチェックシートを手帳に貼る、またはパソコンに貼る
4 いつから実践しますか?
「ほめるより承認7点セット」いつから実践しますか?
実践したいと思った方は今ここで実践時期を決めましょう!
・ 今から
・ 明日から
・ 来週の月曜日から
決めた実践時期を手帳やカレンダーに書き込みましょう。
「ほめるより承認7点セット」実践と記入した付箋を手帳やパソコンに
貼ってもいいです。
「ほめるより承認7点セット」の紹介は以上でおひらきです。
皆さんの認める力の更なる向上を心から願っております。
実践したらX(Twitter)への投稿、またはNoteへコメントしてもらえたら嬉しいです!
今日も、「日刊7秒しかけ」を読んでくれてありがとうございます。
「ほめるより承認7点セット」の7秒しかけを気に入ってもらえたら、
「日刊7秒しかけマガジン」のフォロー頂けると嬉しいです!
それでは、また明日!
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