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【木曜日のしかけ#31】忍法お客様訪問

木曜日は経営言動、すなわち社長の言動に関する「7秒しかけ」を紹介していきます。社長の言動は幹部や社員のモチベーション、社長への信頼度に大きな影響を与えます。

今回は「忍法お客様訪問」を紹介します。

お客様訪問」は忍者の術ではないのに「忍法」をつけています。
7秒しかけで忍法というネーミングをつける基準は次の2つです。

【言動の場合】
・良い行動だがあまり実践されていない
・実践するきっかけにしたい


突然ですが、社長は既存のお客様を定期的に訪問していますか?

忙しさにかまけて訪問している社長が少ないのかなと感じています。
そこで「忍法お客様訪問」とネーミングし実践してもらいたいと考えました。

『白潟さん、何言ってんの!私は定期的に訪問してるよ』

社長、失礼いたしました。社長は既に忍者でした。
ここまで読んでもらいありがとうございます。

忍法お客様訪問」ですが実践の意思決定は7秒でできますが、
実践は7秒ではできません!
(1社あたり15分~1時間くらいかかります)

残念ながら「忍法お客様訪問」を実践していない社長にぜひやってもらいたい!そんな私の強いおもいで7秒しかけにしちゃいました。

それでは、紹介していきます。


1 どうして「忍法お客様訪問」なのか?

ドラッカーは著書『マネジメント』にて

企業の目的は、顧客の創造である

したがって、企業は二つの、そして二つだけの基本的な機能を持つ。それがマーケティングとイノベーションである。マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす。

マーケティングとは顧客の欲求からスタートすることであり、イノベーションは新しい満足を生み出すことである」

と提唱しています。


ドラッカーが提唱するマーケティングとイノベーションを実践していくには社長の「お客様訪問」が極めて重要です。

もちろん、社長が事業戦略を立案し、その戦略を現場が実行することも同じく重要です。

ただ、それに加え社長の「お客様訪問」がなければ顧客の欲求からスタート(マーケティング)はできませんし、顧客の新しい満足を生み出す(イノベーション)こともできません。

SalesforceのCEOであるマーク・ベニオフも、定期的に大手顧客を訪問することを重視しているそうです。

ユニクロの創業者である柳井正氏も、定期的に国内外の店舗を訪問し顧客との対話を重視してるそうです。BtoCの企業でも「お客様訪問」は有効です。


なので、残念ながら実践していない、実践が十分でない社長に7秒しかけ「忍法お客様訪問」を紹介したいです。

社長の定位置は社長室ではなく、お客様のところではないでしょうか。

2 「忍法お客様訪問」の効果

社長による「忍法お客様訪問」はマーケティングとイノベーションの実践ですが、社長も認識している通りたくさんの効果があります。

なんと、その効果は一石七鳥です!

① お客様企業の社長との人間・信頼関係が構築できる
 当たり前のことですが、社長がお客様企業の社長と直接顔を合わせることで、より深い人間関係を築くことができます。

さらに、社長自らがお客様企業の社長を訪問することで、お客様への自社のコミットメントや誠意が伝わり信頼関係が深まります

② フィードバックの収集
お客様企業の社長から直接フィードバックを得ることで、プロダクトやサービスの評価と改善点、新しいニーズを把握しやすくなります。

自社の営業担当者では聞けない情報を社長が訪問することで把握できます

私、前職(トーマツイノベーション)で中小ベンチャー企業向けの定額制研修サービス(月額3.5万で150種類の研修出放題)を7800社に提供していました。

私の定期的なお客様訪問で「能力開発」「人材育成」ではなく「福利厚生」で自社商品を活用してもらっている新たなお客様のニーズを発見したことがありました。

研修サービスを提供していたので「福利厚生」というニーズは正直意外で困惑しましたが、その後新たな営業展開をすることにつながりました。

③ プロダクトやサービスの改良・新商品開発
②で得られた改善点やニーズをベースに、自社のプロダクトやサービスの改良、新商品の開発ができます。

④ 不満や問題解決の迅速化
お客様が抱える不満や問題を社長が直接確認し迅速に対応することで、クレームの防止ができたりお客様満足度を高めることができます。

⑤ 現場からの報告と現場の認識の検証
お客様企業の社長の声を直接聴くことで、現場からの報告や認識がズレていなかったかどうかの検証ができます。

⑥ 競争力の向上
お客様企業の社長の声を直接聴くことで、競合他社との差別化ポイントや市場のトレンドをより早くキャッチでき競争力の向上につながります。

⑦ ビジネスチャンスの発見
お客様企業の社長との対話を通じて、クロスセルやアップセルの機会、新しいビジネスパートナーシップの可能性を見つけることができます。

いかがでしょうか?
社長が既に知っている効果ばかりだしたが、改めてまとめてみるとたくさんの効果があることが理解できます。

社長のお客様訪問1回は、営業担当者による訪問の10回に勝ります

社長、ぜひ「忍法お客様訪問」を実践しましょう!

3 「忍法お客様訪問」の進め方

既にお客様訪問の進め方を熟知している社長には釈迦に説法ですが、念のため進め方をまとめます。

① まずは社長が訪問する目的を決めましょう

「売り込み」ではなく「良好な関係構築」大前提の目的になるのではないしょうか。

既にお客様と「良好な関係構築」が出来ている場合は、「フィードバック収集」や「問題解決」が目的に設定されるでしょう。

場合によっては「特定プロダクトの評価」「営業担当者の評価」「CS(カスタマーサクセス)担当者の評価」になったりもします。

いずれにしても、訪問前に目的を決め訪問しましょう。


② つぎに、訪問するお客様のターゲットを選定しましょう

次に示すターゲットが考えられます。理想は全てのお客様になりますが、100社以上のお客様がいる場合はターゲットを絞らなくてはいけません。

ターゲット案1:全てのお客様を訪問

ターゲット案2:重要なお客様を訪問
(売上基準、粗利基準、取引年数基準)

ターゲット案3:問題を抱えるお客様を訪問
(顕在的な問題、潜在的な問題)


③ そして訪問する時の方針を決めましょう

・誰と訪問するのか?
つぎの4パータンが考えられますが「社長ひとり」をおススメします。「社長ひとり」で訪問することで、営業や営業担当者への不満や苦情もきけるからです。

・社長ひとり
・社長と営業責任者
・社長と営業担当者
・社長と営業責任者・担当者

・誰に会うのか?
トップ(社長/責任者)なのか担当者に会うのかが考えられますが、トップ(社長/責任者)に会うことをおススメします

先ほど紹介した社長訪問の効果を得るためにはトップに会った方がいいからです。

もちろん、いきなりトップへのアポが取れない場合は担当者へ訪問します。そうすると、トップ(社長/責任者)が挨拶してくれる可能性もあります。

・訪問時間は?
初回であれば表敬訪問で5分から10分をおススメします。2回目以降であれば訪問目的により30分から1時間もありでしょう。

・訪問回数は?
1回だけでは十分ではありません『何しに来たの?』と勘ぐられる可能性もあります。なので、何回も訪問しましょう

半年か四半期に1回の訪問等、定期的な訪問頻度を決めた方がいいです。

おそらく3回目くらいから、本当のことを話してもらえたり「質」の高い情報を得られるようになります。

ここまでで、おススメの訪問時の方針をまとめます。

★初回と2回目は社長ひとりでお客様企業のトップ(社長/責任者)に10分程度の表敬訪問をします。

★3回目以降は社長ひとりでお客様企業のトップ(社長/責任者)に「フィードバック収集」を目的に訪問します。お客様から質の高い情報が得られるでしょう。

ぜひ、事前に社長の定期的なお客様訪問の方針を決め「忍法お客様訪問」を実践してください。

もちろん、訪問時に手土産やお客様にとって有益な情報等を持っていくのは最低限のマナーでしょう。

忍法お客様訪問」の紹介は以上でおひらきです。

忍法お客様訪問」の実践でマーケティングとイノベーションの実践ができることを心から願っております。

実践したらX(Twitter)への投稿、またはNoteへコメントしてもらえたら嬉しいです!

今日も、「日刊7秒しかけ」を読んでくれてありがとうございます。

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それでは、また明日!明日はフツーの会社のすごいしかけです。


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