小説感想『髑髏城の七人』
どうもこんにちは。
先日、タイトルにもある通り『髑髏城の七人』を読みました。自分は劇団☆新感線の公演は見たことがないんですが、作者の中島かずきさんが脚本を書かれているアニメ『天元突破グレンラガン』『キルラキル』『バック・アロウ』などがもうめちゃくちゃ・すごく・死ぬほど・棺桶に脚本集入れたいくらい(持ってないけど)好きだったので、「こんな話を創る人が書く小説ってどんなのだろう?」と思い、購入した次第です。
それで読んだ感想なんですが、全体的な評価としては「めちゃくちゃ面白いし好みだけど、求めてるラインには微妙に届かないかなぁ」といった感じでした。
なんというか、中島かずきさんはもっと外連味やハッタリが効いている話を書くと思っていたというか、「トンチキな要素を集めて王道な話を作る」人だと思っていたので、それにしてはトンチキ要素が薄目だし、王道要素もそんなに……だと思いました。ハッタリが効いてるのってかまいたちとか斬鎧剣くらいじゃない?という。斬鎧剣、名前はカッコいいので好きですけどね。
後、全体的に「小説でこれはアリなのか?」と思うような書き方を結構やっていたのも気になりました。視点揺れ……とまではいわずとも、視点が凄い頻繁に変わったりするところとか。中島かずきさんは小説家ではなく脚本家なので、そういった文章の書き方の違いというのが見て取れて「これはこれでいいのか? いや、しかし……」と読みながら悩みました。
ただ、話としてはとても面白かったです。先ほども言ったように「ちょっと王道に欠けるな」と思う所もあったんですが(蘭兵衛の裏切りとか、七人で髑髏城を壊滅させる話じゃなかったんかい、とか)それらを加味しても、最初から最後までちゃんと楽しんで読むことが出来ました。
小説は面白かったし演劇も気になってるので、一回くらいは見ておくべきかなぁという気がしてます。ワカドクロが特に興味あるんですよね、予告がカッコ良かったので。
でもやはり、もっとハッタリが効いた設定やキャラクターが欲しかったという気持ちは今でもあります。グレンラガンみたいに『銀河よりデカいサイズのロボットが出る!!』というような雰囲気を求めてたので(銀河よりデカいサイズのロボットを出せと言っているわけではないですが)、そこが残念です。
中島かずきさんのお話って、なんというか『大見得を切る』という言葉がぴったり似合うようなモノだと今まで思っていたので、そこの見得の切り方が小説版髑髏城の七人ではイマイチだったかなぁ……と感じました。これはこれでいい話なので好きではあるんですが(重ね重ね言うけど)。
……なんかもう少し話したいことがあった気がしたんですけど、なまじこの小説にはかなり満足してしまっているので、感想がこれ以上出てこないですね。先の日記でも書いたんですけど、『満足した作品や面白かった作品の感想を言うときは、割と言うことがなくなる』ってよくありませんかね?批判の方が言いやすいみたいな……。
ちょびちょび不満も言ってきましたけど、総じて自分は満足できました。中島かずきさんが書いている他の戯曲集とかも読んでみたいですね。特に、神州無頼街は買ってるのでこれを機に読んでもいいかも。
今回の感想はこれで終わりです。それでは。
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