プロダクトマネージャーとして強い意思決定と推進力でAny Cargoのエンタープライズ導入を実現した立役者
Shippioでは、2024年7月に、年に一度の全社表彰である「Shippio Anchors Award 2024」を開催しました。今回は、年間の最優秀社員 = MVC (Most Valuable Crewmate)を受賞したProduct Managerの柳沼さんのインタビューを通して、Shippioで活躍する「人」や「カルチャー」を紹介します。
Anchorsとは:
一般的にはバリュー(価値観)と呼ばれるものです。Shippioでは「毎日の活動を行う上での在りどころ」として定義しています。
(* Anchorsについて)
入社してから現在までのShippioでのキャリアを教えてください。
2021年12月年末に入社し、当時から今に至るまでずっと荷主のお客様向け (輸出入をされている企業様向け) にクラウドサービスの企画開発を行っています。入社してからすぐに始めたのが、Any CargoというSaaS事業の立ち上げで、今に至るまでAny Cargoのプロダクト開発を担当しています。
エンタープライズのお客様のニーズに応えるため、柔軟にプロダクトロードマップを変更して新機能をリリースしたことは”Do-Mannaka”だった
直近1年でトライしたこと、印象に残ったプロジェクトを教えてください。
過去1年はAny Cargoという新たなSaaSサービスを、エンタープライズのお客様に導入していただき価値提供できるようにしていくという大きなテーマがありました。エンタープライズのお客様特有の課題を解決するサービスの企画開発や、カスタマーサクセスチームと連携しながらエンタープライズのお客様のサクセスを牽引していく、主導していく、支えていくような活動を主にトライしていました。
具体的に注力していたプロジェクトとして、「データ活用」のプロダクト企画開発があります。お客様がShippioのプロダクトを使っていろんな業務を管理していくと、どんどんShippioのサービス上にデータが溜まっていくのですが、そのデータを使ってお客様の経営改善にインパクトを出すためのプロダクト企画・開発を行っていました。
実は、エンタープライズ向けにデータ活用のプロダクトを作り、提供するというのは、元々のプロダクトロードマップにはなかったことでした。しかし、お客様のニーズに応えるため、柔軟に計画を変えて取り組むことができたのは”Do-Mannaka”だったと言ってもらい、振り返ってみると確かにそうだったなと思います。
プロダクトロードマップの変更はどのように進めたのですか?
プロダクトフィードバックを分析して優先度を再評価し、チーム全体で共有しました。定量的なデータと定性的な感覚を合わせて、今進めるべきプロジェクトを決めたという流れでした。
もう一つ注力していたプロジェクトとして、Shippio APIの企画開発があります。 ShippioはこれまでAPIを提供していなかったのですが、エンタープライズのお客様からのニーズを考慮して、ご利用いただけるようなAPIを提供することにしました。
(*Shippio APIについて)
この2つが過去1年で一番大きかった取り組みです。
カスタマーサクセスと”One Team”でお客様と直接ディスカッションを重ねながらプロダクトを開発
それぞれのプロジェクトを推進する上で、社外の方、社内のどんなメンバーと関わっていましたか。
まず社内では、カスタマーサクセス部と一緒に動くことが多かったです。
エンタープライズのお客様に伴走していく、サクセスを主導していくとなると、カスタマーサクセスの考え方が非常に大事で、お客様のニーズをしっかり汲み取って、既存のプロダクトを用いてどうやってサクセスに導いていくかが重要です。
その点はもちろんカスタマーサクセスチームが牽引しているところなので、彼らと一緒にお客様の商談に参加したり、ヒアリングさせていただいたりだとか、もっと利用を拡大してもらっていくには、どういう企画の機能の開発が必要なのか、どういう価値の提供が必要なのかを探るために、ほぼ毎日カスタマーサクセス部と活動していました。
また、プロダクト導入を検討していただいているエンタープライズのお客様の、サプライチェーンマネジメントを担当されている方々に対して、このような点をかなり深くヒアリングさせていただきました。
日々の業務内容
所属組織のミッション
目標とする数値指標(向上させたいもの、削減したいもの)
上記の情報をもとに、下記2点についてのディスカッションをかなり掘り下げて行いました。
特定の数値を向上させるための最適な方策
目標とする数値を上げる / 下げるための、Shippioのプロダクトの効果的な活用法
カスタマーサクセスとの連携について先ほどお話されましたが、どのような点で”One Team”を体現できたと思いますか?
エンタープライズ向けのデータ活用サービスでは、カスタマーサクセスやセールスチームが最前線でお客様と接しているので、彼らの課題に対する解像度は非常に高いです。そのため、プロジェクトは自分一人では進められませんでした。プロトタイプを作り、お客様にフィードバックをいただくと同時に、セールスやカスタマーサクセスチームとも意見を交わしてソリューションをブラッシュアップしていきました。また、セールスチームにはサプライチェーンマネジメントの専門知識を持つメンバーがいるので、彼らの意見を参考にしながらプロダクトの企画を進めました。本当に助けてもらったプロジェクトでした。
お客様との綿密なコミュニケーションを積み重ねて課題を解決していったことで”Record Breaking”な成果を残すことができた
カスタマーサクセスとの連携やお客様との直接的なディスカッションを重ねたからこそ出せた成果やアウトプットはありますか?
先ほどお話ししたデータ活用のプロダクトを、2024年1月に「Shippioインサイト」ベータ版としてリリースしました。
(*「Shippioインサイト」ベータ版リリースについて)
Shippioインサイトは、お客様がShippioにどんどん蓄積していっているデータ(具体的には貿易における輸送のリードタイムなど)自動で算出してグラフ化して、分析ができる状態で提示するようなプロダクトです。
Shippioインサイトを実際に企画開発してリリースして、お客様に価値を感じていただき、Shippioとしてもビジネスを拡大できました。このような成果を出せたのはとても嬉しかったです。
Shippio APIに関しても同様です。ただ一方で、エンタープライズのお客様向けに、このような「データを基に経営を改善していく」プロダクトの本当に第一歩目をリリースしただけでもあります。
お客様に使っていただき、「まだまだこんな点で改善の余地がある」といったフィードバックもいただいているので、これからもっとプロダクトを改善していきたいと考えています。
Shippioインサイトに限らず、お客様がAny Cargo上で全ての案件を効率的に管理できるようにするために、何度もミーティングやクイックな電話でのやり取りを繰り返し、課題を一つ一つ解決していきました。その結果として、月間数百から数千におよぶ輸出入を行っている、日本を代表するエンタープライズの企業様複数に、Any Cargoで全ての案件を管理していただけるようになったことはShippioとして”Record Breaking”でした。
カスタマーサクセスを実現する手段の一つにプロダクト開発がある
柳沼さんにとって大きな学びになったこと、新しく得た学びを教えていただけますか?
カスタマーサクセスの考え方を得られたことが大きかったです。「カスタマーサクセス」というと職種として取り上げられることが一般的だと思いますが、個人的には「カスタマーサクセス=お客様がサクセスするために何でもやる」といった概念だと考えています。お客様のサクセスのために何をするかという手段の一部としてプロダクト開発をしている、ということを深く学んだ1年でした。
例えば、お客様のニーズ全てに対して即座にプロダクト開発ができるわけではないので、お客様と話していると、「こんなことをするとこんな課題が解消できるんだけど、どうにかならないか」というご相談をいただくことがあります。その時に、「ここはプロダクトで解決できますが、この点に関してはそもそもお客様の業務をこのように変えるべきだと思います」などといったお話をさせていただくことがあります。
本当に細かい例だと、「輸出入の一部情報を社内で管理しているExcelのこの列とこの列は一緒にするべき、あるいは分けるべきです」という会話をすることもあります。そのように、プロダクトを開発しなくても、お客様の業務課題を解決できるポイントが見つかることがあります。なので、「物を作らずともお客様の成功を後押しすることができることがある」ということを、過去1年で今まで以上に多く学ぶことができました。
これはすごく大事なことだと思いますし、お客様と直接的な接点を多く持っていたからこそ学べたことです。お客様の成功をどのようにサポートするかを常に考え、プロダクトを使って解決できる問題と開発をせずとも解決できる問題を区別することが、私たちのアプローチとして重要だと考えています。
難しいからこそ面白い。ユーザー層の多様化に伴い、複雑性を増すニーズに応えていくことが今後のテーマ
今向き合っている課題と今後の目標について教えてください。
今、もともとShippioが提供していたデジタルフォワーディングに加えて、貿易業務SaaSのAny Cargoの展開が進んでいます。また、2024年9月には物流事業者向けサービス「Shippio Works」の提供も開始しました。物流事業者やエンタープライズのお客様、中堅規模のお客様といったように、企業規模や業態の異なる企業に対応する複雑性が増してきています。また、ユーザー層も多様化しています。こうした状況で、どうやって幅広い企業やユーザーに価値を提供していくかが今課題となっています。
もう一つの課題は、プロダクト開発のバランスです。お客様に受け入れられるための当たり前品質を担保する一方で、Shippio独自の武器や提供価値を作り続けること。このバランスを取るのは難しいと考えています。この課題をクリアして、これから国際物流プラットフォームとして多様な業態やビジネスモデルのユーザーに価値を提供し、産業全体に変革をもたらしていきたいと考えています。
どのような価値観を持つ人にとってShippioはマッチしていると思いますか?
私は、”貿易DX”という複雑難解ですが社会的インパクトが大きいテーマに惹かれてShippioに入社しました。入社から約3年が経つ現在も、貿易という社会インフラに関わるステークホルダーの多さ、業務の量と煩雑さ、国を跨ぐ取引ゆえに発生する様々な課題に、この領域の底知れない奥深さと面白さを感じています。めちゃくちゃ難しいパズルを解いているような感覚です。
そのため、Shippioには「難しい課題を面白がって取り組める方」にとって魅力的な会社だと感じます。知的好奇心が旺盛で、課題を深掘りしながら、どうすればもっと良くなるかを考え続けことができる方こそ、Shippioでご活躍いただけると思います!
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