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週末に、白山のカフェにて初投稿の記事を練る

「noteのレベル…高い!」

登録したばかりの某日、とめどなく表示され続ける記事を読みながら愕然とした。誰かに向けたおしゃべりのような記事から、生活に根付いたもの、学習法、自己啓発、専門分野の紹介・啓蒙など、テーマも様々ながら多くの方々が発信されている。そしてそのどれもが、実に堂々としたものだ。

SNSから離れていた時期のある私にとっては、一気に情報過多の状態に陥り、戸惑いすら覚えていた。
そんな時にふと、おそらく学生さんか、社会人になりたての女性が書いたように見える一文に出会った。

「SNSはモチベーションを上げる場所だ!」

はっとした。記事によると、noteの常連さんである彼女すら、埋もれそうになる不安に負けじと自分自身を鼓舞して書いている。その言葉は、まだひとつも記事を発信していない私の背すじを正し、そっと一歩を踏み出させてくれた。

「ありがとう!私も、書くよ。」

心の中で見えない彼女をぎゅっとハグし、気持ちを固めたのは、今週の始め。

こんな風に、それを知る、読む前と後ではがらりと気持ちが変わり、「後には引けないな…」とひっそりとした覚悟が決まる、そんな知らせがあるだろう。
私にとってこの最近、そのインパクトが大きかった出来事は、敬愛する小説家・西加奈子さんの、がん治療から寛解の知らせだ。

この数年、予期せず心ない言葉に出くわし、立ち止まってしまったり、心の中で反芻し、痛みを感じ続けてしまうような時も、それを乗り越え、笑いや喜びにつなげられたのは、西さんの言葉を信じてきたから。

激励、鼓舞、誇り、信念、再生……
ひとつやふたつでは言い表せないパワーとメッセージを受け取り、それら全ては私の血肉となっている。…が、そのことを、この知らせに向かうまですっかり忘れてしまっていた。
言い訳などはできない。驚き、後悔し、焦り、恥じる。どれにもつかぬもどかしさに苛まれた日々を過ごし、先日、ようやく手元にこの一冊が届いた。



全身全霊で綴られた西さんの言葉を、丸ごと吸収する(それが西さんの本との“お約束”)。
「あなたに届けたい」と、どの本・言葉からも伝わる西さんの意志と抱擁は、私にしっかりと届き、根付く一方で、言葉はこんなにも人を創造し、生かすという奇跡を、この本を読み今また体験するだろう。

4月生まれの私にとって、最高の誕生日プレゼントに感謝します。
いつかこの、遠くまで凪いだ波のように広がる「ありがとう」の気持ちを、私も西加奈子さんに届けたい。

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