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「好き」は人生の羅針盤

いま、とある映像コンテストに挑戦している。

8月から企画し、10月上旬にロケ、そして11月30日の締切に向けて、とにかくこだわって編集と仕上げを進めてきた。

2023年1月以来初の、クライアントワークではない自主制作作品。

これまで、8年前にフリーランスに転身して以来、毎年必ず自主企画で何かしらの作品をつくってきた。そして、この直近の3年においては、積極的に映画祭やコンテストに挑戦してきた。

ようやく花開いたのが、昨年2023年。

ショートショートフィルムフェスティバル & アジアという、アジア最大級の短編映画祭にて、部門の最高賞を受賞することができた。全世界から応募された363作品の、頂点に選ばれたのだ。

「天にも昇る気持ち」とはこのことか。と思ってしまうほど、喜び・感動・感謝、言葉にできないほどの大きな幸福感を味わわせてもらった経験となった。

自主企画の作品は、私にとって、
自分の可能性・未熟さ・成長
そのどれもを実感させてくれる、一種のベンチマークのような存在だ。

そして、仕事ではないからこそ、毎年の体力測定のように自己ベストが出ることを祈りつつ、心からの「つくりたい」「やりたい」を大切にする時間でもあった。

…だったのだが。

圧倒的な成果を出した前作以降、どうもその「やりたい」が迷子になってしまっていた。

前作を超える作品をつくらなければ。
もっとみんなに認めてもらえる作品を作らなければ。
もっと、もっと…。

成長思考だと思っていたそれは、もはや呪いのような何かに姿を変え、いつの間にか私の心に鎮座していた。

そもそも私は、割と現実的な30代半ばのクリエイター。
20代の時ほどの無鉄砲さも、根拠のない自信もない。

未来への焦り、承認欲求、自分の成長の天井…
そんな不安の感情が頭の片隅に常駐している。

負の感情は、普段はお行儀よく物陰で体育座りしてるくせに、私の気持ちが少し揺らいでいるのを確認すると、ここぞとばかりに心のど真ん中で大暴れしていた。


やっと訪れた、転機

最初は「時間が解決してくれるだろう」「ちょっと休めばまたやる気になるだろう」と楽観的に捉えていたけれど、結論、時間も休息も解決してはくれなかった。

自分の作品制作をしていない時間は、やがて自信をも削ぎ始め、私の自己肯定感はもう残ってないんじゃないかと思えるほどすり減っていた。

期間で言うと、1年くらい。
長い…本当に長かった…。

しかし、そんな私に、やっと一筋の光が差した。

今年の夏、日本の「職人」と「ものづくり」をテーマとしたドキュメンタリー映像を募集するコンテストを発見したのだ。

まさに、私にとってどストライクで興味のあるテーマ。

これまでウジウジしてた自分はどこへやら、瞬時に「これやりたい!」と、直感的に突き動かされるものがあった。

これまで映像と向き合うが故に、悩み、苦しい時間を過ごしてきたが、
自分を暗闇から引き上げ、希望を見せてくれるのも、また映像だった。


「好き」は人生の羅針盤

「好き」の威力はすごいと、改めて思う。

周りにどう思われているとか、他人からの評価は一切関係なく、
「理由?自分が好きだから!以上!」
で、驚くほどのパワーがみなぎるのだから。

振り返ると、これまで様々な映画祭やコンテストに挑戦してきたからこそ、そして映像業界でキャリア(年数)を重ねてきたからこそ、

「期待に応えなければ」
「もっと結果を出さなければ」

と、自分で自分にプレッシャーをかけていた。

でも、私は誰の期待に応えようとしていたのか?

いつの間にか何者かになった気分で、結局は存在しない何かを喜ばせようとしていたのだと気がついた。

これまで「好き」だから映像をつくってきたし、そういう自分の「好き」が詰まった作品が、自分の歩む道をつくってきてくれた。

自分の「好き」が紡ぐ道は、いつだって、まだ見ぬ理想の目的地へと案内してくれる。

そうだよ、これまで、ずっとそうやって歩んできたじゃん。

不安と虚無の期待ばかりが募って、すっかり忘れていた。

「好き」という感情は、自分にとって唯一無二、そして絶対の羅針盤であるということを。


コンテストの結果

前作の制作から実に1年半。
自分の中の宇宙で壮大なビックバンを繰り広げて、ようやくスタートラインに立った。

今回の私のブレイクスルーのきっかけとなった映像コンテスト、実はまだ審査期間中で、結果が出ていない。

ここで「グランプリとりました〜!」とこのnoteを締めくくれたら、めちゃめちゃドラマチックだ。
でも、結果が出る前のタイミングでこれを綴っているのは、既に私自身が満たされているからかもしれない。

今の私の全力を注いだ作品。
「がんばったね」と自分自身に嘘偽りなく言える作品。
私の「好き」を詰め込んだ作品は、
きっとまた、人生の羅針盤となって新たなワクワクする未来へと誘ってくれるだろう。

そう信じて、また、ものづくりと向き合う日々をはじめる。

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