夏の本屋さん
夏の本屋さんが好きです。
多くの出版社さんがかわいいポップや帯、中には「一冊買うとオリジナルのしおりをプレゼント!」というキャンペーンで多くの本をおすすめしていて、店頭がお祭りのように彩られます。
先日、新潮文庫の文庫本を二冊買いました。
西加奈子さんの「白いしるし」と、谷川俊太郎さんの「ひとり暮らし」。
買ったら、ステンドグラスしおりがついてきました。
日に当てると薄っすら透けて、涼やかな印象です。
最近は本を買う時は、「この本が欲しいな」と決めたうえでネットで購入することが多くなりました。
けれど、そうすると、たしかに時間の短縮にはつながりますが、
「思いがけず手に取った」という本には出会いにくいです。それはちょっと、味気ない気もします。
本に出会いのストーリーを求めるというと、大袈裟かもしれません。
しかし、カバーや帯の文言に惹かれたり、「あ、そういえばこの作家さん気になっていたんだよな」という、
本屋で自分の心が動いたということ自体が、私にとって捨てがたいもののように思えます。
夏は「何かが始まる!」という高揚感がある季節。
よく小学生の頃に流行った、プロフィール帳の質問項目に「好きな季節は?」とありました。四季全て好きながらも、「夏」と書いていた記憶があります。
それはわくわくとした感情が一年の中で一番色濃くあるからだと思います。
それはきっと読書においても一緒です。
新潮文庫の帯に「想像力の旅に出かけよう」という文言があります。
夏といえば、旅!実際の旅も大好きですが、本選びにおいても、冒険をしたいものです。
普段選ばない本も読んでみると、思わぬ発見があるかもしれません。
そう思うと、店頭に並んでいる本たちがそれぞれ行き先が違う航空券に見えてきます。
「どこに行けるのかな」
想像力の旅に出かけようと、最初の1ページを開くときの高揚感は、飛行機に乗るときの気持ちと一緒。
様々な本に出会える夏にしようと思います。
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