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中学生の思い出

本人にとって小さなできごとも誰かに大きな影響を与えるきっかけになるかもしれない。

そんなこと思う

というのも、旅に憧れるようになったのは、中学校の時の社会の先生がきっかけ。


このことはたぶん一生忘れないと思うけど、一応記しておく。

普段授業を担当していない先生が、先生交換みたいな感じで、若くて当時の自分は友だち感覚だった先生が授業をしに来てた。

しおんのことを知ってる人はわかるかもだけど、中学時代は今以上に問題児だったから、大体一番前の席に座ってるし、ほとんどの先生に名前が知れてた。そして、すべての大人を舐めていた。


そんな先生は、週末に休みができたらしく、とりあえず空港に行って席の余っている飛行機の到着地を旅の目的地にしようとしてた。

え、先生何言ってんの?って思った。

目的地も予定も宿もすべて完璧に決まっている家族旅行しかしていなかった自分には、全然理解できない話だった。

でも、なんかわくわくした。

それもサッカーが大好きなその先生は、大学生の時にサッカーを見るためにスペインに行って、そのときに見た子どものきらきらした表情を見て、子どもに関わる仕事がしたいと思ったらしい。

パスポート持たない一家に生まれた身として、その話も、わくわくした。

海外なんて小学生の時に読んでいた『マジックツリーハウス』っていう本の世界の話で、それ以外は教科書の中にある現実なのかさえわからない存在だった。


ただ、その先生の授業は交換授業をしに来た今日だけで、そのどこか行った週末の話はもう聞けない。
どうしても気になったけど、変にプライドが高い当時は、すぐに聞きに行けなかった。

でも、なんとなく気になった。
だって、そんな冒険みたいな話聞いたことないから。


結局、中学生のプライドはわくわくに負けた。


わざわざ職員室まで行って、聞きに行った。

その先生は、屋久島に行ってた。
たまたま空港に着いたら、屋久島行きの飛行機に空きがあったから。
そして、サンダルのまま屋久杉に登ったと。
屋久杉の写真も見せてもらったし、その後屋久島で会った人と東京で再会した話まで聞いた。

しおんもいつか屋久島行くね、って言ったこともそのときにすごくわくわくしたこともずっと忘れられず、去年の11月に屋久島に行った。


そんな先生に再会したときにその話をしたら、真面目に話を聞きに来たことが珍しくて、それへの驚きしか覚えていないと。


ただ、しおんの中では一生忘れられない旅へのわくわくの原点だった。







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