「全集中の呼吸」を行うための科学。
イグザルトの塩見です。普段はデータにもとづくトレーニング指導などを行なっています。
今回は『鬼滅の刃』に出てくる全集中の呼吸についてのお話です。多くのお子さんがトライしてきたのではないでしょうか。カメハメ波を出そうとふんばっていた30年前の私と同じようにw
全集中の呼吸について、アニヲタWiki(仮)では以下のように説明されています。
呼吸器官や血流器官を活性化させ、瞬間的に身体能力を強化する特殊な呼吸法。
これによって自身の肉体を強化し、それぞれの習得した「型」を用いて戦うのが鬼殺隊の基本戦術。
呼吸により体中の血の巡りと心臓の鼓動を速くし、肺に尋常じゃない量の空気を取り込む。
それにより体温が急上昇し、血が吃驚びっくりしたとき骨と筋肉が慌てて熱くなって強くなる。
瞬間的に身体能力を強化する特殊な呼吸法。
そんなものがあったら便利だけどマンガの世界だけの話、、、とは限りません!
もしこの全集中の呼吸の方法を習得すれば、授業、会議、運転中など眠いけれど寝るわけにはいかない状況で圧倒的に役に立ちます!
具体的には以下のような呼吸法です。
①1、2、3、4、でゆっくり息を吸います。吸い込む量はめいいっぱいではなく7割くらいでけっこうです。鼻から吸っても口から吸っても良いですが、腹式呼吸よりは肺呼吸の方が良いです。
②5、6、で吸い込んだ息を止めてキープします。
③7、8、で息を吐きます。
以上を繰り返すのが、私の考える全集中の呼吸です。
科学的な根拠についてお話します。
みんなの体でも「呼吸が心拍数をコントロールしている」
洞性呼吸性不整脈(どうせいこきゅうせい不整脈)と呼ばれますが、ヒトの体では呼吸のタイミングに合わせて心拍数が自動的にコントロールされています。
これは、息を吸って肺が膨らんだときに血流をたくさん流したほうが効率が良いために生じているメカニズムです。
全集中の呼吸をするためには、これを使います。
心拍数を上げるためには、
・これから肺が膨らみますと体に伝える(息を吸う時間を長くとる)
・実際に肺が膨らんでいる状態を作る(肺が膨らんだままキープする)
・肺がしぼんだ状態を短くする(息を吐く時間は短時間で行う)
とすることが好ましいです。
ちなみに理想は「泣きじゃくっている子どもの息づかい」です笑
ぜひ眠たいとき、やる気の出ないときは全集中の呼吸をやってみてください。
ひとつだけ注意していただきたいのは、今回ご紹介したのが「リラックス」とは正反対の呼吸方法である点です。
マンガの中では寝ながら全集中の呼吸をするという描出がありましたが、睡眠は体を休める時間ですので、上述の呼吸を睡眠中に行うのは最悪ですw
また試験や面接直前の気持ちが焦っているときにやるのは自殺行為ですので、その場合はこちらの「リラックスさせる」科学的な呼吸方法をご参照ください!
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