僕は暗い街灯が照らす道を一人歩いていた。 チカチカと光る街灯が点々と置いてある道を彷徨っている。 見知らぬ建物、見知らぬ公園が存在した。 かろうじて僕が僕であることだけは分かった。 佐々木朔夜(ささきさくや)、24歳。去年大学を卒業し、今年から社会人1年生だ。 僕は昔から、眼が良かった。 僕は見知らぬ公園に入った。 木で造られたブランコに腰かけてみた。 グラグラと揺れ大変座り心地が悪かった。 しかし、次第にその不安定さを気に入った。 ここで少し、足を休めよう。 ぼんやりと
<登場人物> ・ミナト 男子高校生 ・カコ 女子高校生 ・タクヤ 男子高校生 ・カイ 男子高校生 ・マキ 女子高校生 ・女子学生 ・男子学生 ・女教師 ・ミナトの父親(母親可) ・ミナトの弟 ・学生1 ・学生2 ・学生3 舞台に全員板付きが板付き 明転 各自スポット(セリフのときに明転) 女子学生 「あの、突然呼び出してごめんなさい。」 「ずっとずっと前から好きでした。」 「話したことはないけどいつもよく見かけて、眼で追ってるうちに…」 暗転 明転 男子学生 「じゃあ、学
私は環境に恵まれていて幸せに生きていると思う。 でも心にはぽっかりと穴が開いている、と思う。 その穴は、定まった形はなくてぐにゃぐにゃしている。 高校生になるまで恋愛とは縁がなかった。 正しく言えば、縁がなかったわけではなくみんなが言う友達への“好き”と違う“好き”がわからなかった。 でも今は違う。幼稚園からの幼馴染だった奏人のことが好きだと気が付いた。 奏人は、家も近くてよく一緒に遊んだ。 私のことをいじめてくるけど本当は優しくて私が辛いときにはずっと一緒にいてくれる。
私は今日も服に腕を通した。 沢山の人が生きている。 私はこの世界から見るとちっぽけでいくらでも代わりがきく人間なのだろう。 いや、誰もがそうだ。 だけど、必死にもがき苦しみ喜び楽しみそれぞれの人生を生きている。 私は意識する、服を着ることを。 そして、この人生を生きていることを。 朝日がまぶしい。 私は漆黒のようなスーツに腕を通した。 今日の私はバリバリのキャリアウーマンだ。 少し高めのヒールを履き、コツコツと音を立てながら街を歩く。 営業で沢山歩くことにも慣れた。 笑顔と