【前編】カスタマーセールスの立ち上げ話(1年間の歩み)
こんにちは 👋
カミナシでカスタマーセールスを担当しているDAです。
私は2022年2月にカスタマーサクセスとして入社し、2022年7月からカスタマーセールスの立ち上げを担当しました。2022年10月からはカスタマーセールスチームとして独立し、2023年1月からカスタマーセールスチームの組織化を進めています。現在はマネージャーを含む4名で活動中です。
カスタマーセールスの立ち上げから1年が経過したので、これまでの振り返りを兼ねてnoteにしました。
1年前、検索エンジンで「カスタマーセールス」と調べても情報はあまりなかったと記憶しています。今では採用広報などでカスタマーセールスを見かけるようになりましたが、具体的な取り組みに関する情報はフィールドセールスやカスタマーサクセスと比べると依然少ないと思っています。
このnoteが「いまカスタマーセールスに取り組んでいる方」「これからカスタマーセールスに取り組む方」「カスタマーセールスの設置を検討している方」に届き、少しでも役に立てれば嬉しいです 👏
内容は前編と後編に分けて書きました。
前編は1年間の歩み、後編は取り組んで良かったこと3選と副産物について書いています。
後編はこちらです。
それでは前編をお楽しみください〜👋
体制の変遷とミッション
遡ること1年前。海外SaaS企業のLTV・Churn Rateに対する見解が見直されてSaaS企業のマルチプルが急激に下がり、投資家が成長率だけでなく収益性も注視するように変化し始めた頃です。
当時はカスタマーサクセスがカミナシの導入・活用支援とアップセルを行なっていましたが、アップセルに責任を持つ役割を配置することで最大化できるのではないかとの考えからカスタマーセールスが試験的に発足しました。
カミナシはクロスセルプロダクトがないため、カスタマーセールスはID追加とプランアップを提案をしています。他企業の動きを見ると、クロスセルプロダクトのリリースに合わせてカスタマーセールスを立ち上げる会社も多いようですね。
カミナシのカスタマーセールスはカスタマーサクセスチームの中で発足し、チームとして独立していきました。
カミナシのカスタマーセールスはカスタマーサクセスチームから派生した歴史からカスタマーサクセスの思想が強いのが特徴です。顧客満足度の最大化と売上の最大化の両立をチームのミッションに掲げて活動しています。
では、カスタマーセールスの1年間の歩みをQ毎に紹介していきます。
1Q:数字が全く作れない
売上目標は大幅未達で1Qを終えました。
撤退基準の売上目標はギリギリ達成できたので、次Qの結果を踏まえて方針を決めることにしました。
振り返ると大幅未達の要因の1つは、カスタマーセールスに対する期待の高さに合わせて売上目標の設定金額を高く設定し過ぎたことにあると思います。
どのようにすれば売上目標を達成できるのかと考え、実現方法を模索しながら走り続けましたが、立ち上げ時の以下の状況を踏まえると1Qの適切な売上目標ではありませんでした。
アップセルが期待できるお客様は既にアップセルしている
手元の案件は0件
案件の作り方は分かっていない
案件を進めるためにどのくらい時間が必要か分かっていない
苦労したのは、案件を作ることと進めることです。前にも書きましたが、カミナシはクロスセルプロダクトを提供しておりません。
そのため、お客様がID追加・プランアップしたいと思える未来を描き、ID追加・プランアップしたい思える状態までカミナシの活用を支援し、はじめてご契約いただけます。
これらの一連の流れを何も作れていない状態から1Q内で形にし、会社からの高い期待に応えていくことが難しかったです。
当時と同じ状況でもう一度やり直すとしたら、売上目標はフィールドセールスの半分程度に設定し、お客様をちゃんと理解することに時間を使っていきます。
これは売上目標の設定金額に関わらず、やらなければいけないことです。
ですが、高過ぎる売上目標の前ではどうすれば契約してもらえるのか?に思考がより過ぎてしまい、お客様をちゃんと理解することが出来ていなかったです。
1Qを振り返ると「理解したふりをしたこと」「自分の都合が良いように解釈したこと」「お客様のお話を聞いているようで自分が次に何を言うかを考えていたこと」などが多々ありました。
初めの1Qは高い売上目標を掲げて達成を目指すことよりもお客様を理解することを重視するのが良いと思います。売上目標の設定はもちろんしますが。
一方、高い目標を掲げたことで良いこともありました。
それは、1Q目の適切な目標金額のラインを見つけられたことです。仲間の支援・仕組み・本人の頑張り次第でギリギリ届くラインが分かりました。カスタマーセールスの新メンバーの1Q目の売上目標に使用しています。
2Q:お客様の現場で大事なことを学ぶ
1Qの取り組みからカスタマーセールスの役割を「お客様のカミナシ導入プロジェクトが成功する状態を作ること」と設定しました。
お客様のカミナシ導入プロジェクトが成功するために足りない要素を関係者と交渉・調整し、リソースの調達に集中することを決めました。これが今のカスタマーセールスの基礎となっています。
お客様のカミナシ導入プロジェクトが成功する状態を作るため、まずは私たちがお客様のプロジェクトメンバーと実務を理解することを目的に日本全国のお客様のもとへ訪問しました。
現場の見学を通じて、現場で働く皆様方に業務の流れと各工程で起きている問題、個人的な想いやお困りごとを教えていただきました。見学後は問題を解決できる運用方法を現場で働く皆様方と議論し、カミナシの運用環境を一緒に作ってきました。
また、カミナシのプロジェクトオーナーに対してはカミナシ導入によって現場で生まれた変化と成果、プロジェクトを推進するための障壁を説明し、プロジェクトの成功に必要な人員の確保や運用環境の整備などに取り組んできました。
これらに取り組む中で大切なことを学びました。
それはお客様にカミナシを理解してもらうことよりも、私たちがお客様の業務・想い・痛みを理解することが先にあり、これらを理解できた時に初めて本当の意味でプロジェクトがスタートすることです。
売上は2Qの2ヶ月目終了時点で目標の半分にも届いていませんでしたが、2Qの最終月に約半年間仕込んできた案件が実り、2Q末に達成できました。
カスタマーセールスに半年間取り組んで分かったことは以下です。
能動的な案件創出から受注までには最低でも3~6ヶ月はかかること
案件創出から6ヶ月経過しても進展しない場合はお客様と描いたシナリオを根本的に見直す必要があること
2. は案件創出から3ヶ月で見直すのはイベント(新商品のリリース・繁忙期・監査など)の影響もあるので早いですが、6ヶ月経過しても進展しない場合はお客様のカミナシ導入プロジェクトが成功する状態を作れていないことがほとんどです。その場合は、推進基盤の立て直しに入ります。
また、カスタマーセールスが成果を上げるにはカスタマーサクセスと密な連携が重要なことを学びました。カスタマーサクセスの導入・活用支援があって、初めてカスタマーセールスは機能すると考えています。
カスタマーセールスが機能していないと感じる場合は、カスタマーセールスが1社だけでもカスタマーサクセスを担当することをオススメします。
3Q:手詰まる日々とエンタープライズ領域の受注
2Qの売上目標を達成できましたが、1-2Qの売上構成はMM・SMBが約80%を占めており、エンタープライズ領域からのアップセルは作れていませんでした。
当面の間はID追加とプランアップのみで事業計画を達成し続ける必要があることから、エンタープライズ領域に対する価値提供の確立とアップセルを最重要事項に置き、それを進めるためにカスタマーセールスチーム内で役割・担当を分けました。
アカウントマネージャーは3月に発表したセブン-イレブン・ジャパン様の製造工場への導入などの大型案件を担当し、カスタマーセールスはそれ以外を担当しています。
1-2Qにエンタープライズ領域へアプローチする中で以下のことはわかっていましたが、有効な打ち手を見つけることができず、手詰まりな状況から打開できずに苦戦していました。
受注までの時間がMM・SMBよりも長いこと
顧客満足の最大化だけでは売上の最大化が難しいこと
3Qの序盤は苦戦が続いていましたが、3Qの折り返しを迎える頃に1-2Qに仕込んでいたエンタープライズ領域からのアップセルが数件出てきました。
案件を進展できた要因を理解するため、現場に訪問して関係者と対話を重ね続けてきました。すると、私たちが提供すべき価値とカミナシを通じてお客様の事業を推進するためのポイントが見えてきました。(こちらは後編で紹介します)
その後もアップセルが続き、3Qはエンタープライズ領域が売上の約70%を占めて売上目標を達成しました。2QはMM・SMBから売上が約80%を占めていたので、エンタープライズへの移行を進めることはできました。しかし、エンタープライズ領域に対する価値提供を確立できたとは言えず、MM・SMB領域における成果の再現性も作れていない状態にありました。
そのため、4Qはエンタープライズ領域の価値提供の確立とMM・SMB領域の再現性をテーマに取り組むことを決めました。
4Q:high達成と新たな事業機会の発見
ようやくカスタマーセールスの1年間の取り組みに花が咲きました。
1ヶ月で1Qの約5倍の売上を作り、複数のエンタープライズから受注できた結果、4Qの売上目標を大幅に超えて達成できました。
また、新たな事業機会を見つけることもできました。カミナシの提供に留まらず、デジタル推進人材の育成および現場内の改善へのカルチャー組成まで取り組むパートナーシップ契約をお客様と締結し、売上と事業機会の幅を広げることができました。
カミナシがお客様の事業推進にどのように力になれるのかを考え、実現に向けて行動し続けた結果、1年前には想像もしていなかったことをお客様と一緒に取り組んでいます。これがカスタマーセールスの面白いところだと思っています。
このような成果をあげられたのは、カスタマーサクセスのメンバーをはじめビジネスチーム・エンジニアリングチーム・コーポレートチームを含む社員全員のお陰です。他チームと比べると人数は少ないですが、1年かけて事業推進に貢献できるチームとして立ち上がることができました。
チームは立ち上がりましたが、エンタープライズ領域に対する価値提供の確立は引き続き模索しており、MM・SMB領域での成果は属人的な状況から脱却できていない状態です。
2023年のテーマは組織化としています。
カミナシのカスタマーセールスチームには、お客様のカミナシ導入プロジェクトの成功に向き合い、お客様の事業推進を起点に新たな事業機会を見つけて形にすることができる環境があります。
少しでも興味をお持ちいただけましたら、ご応募いただけますと嬉しいです!
もし宜しければ私の入社エントリもご覧ください〜!
前編のおわり
前編はここまでです。
カミナシ カスタマーセールスの1年間の歩みはいかがでしたか?
後編では取り組んで良かったこと3選と副産物ついて書きました。
こちらもお読みいただけますと嬉しいです!
カミナシは2023年3月末にシリーズBラウンドで約30億円の資金調達を発表しました。こちらの資金でプロダクト開発と仲間集めを行なっています🔥
また、調達のタイミングでカルチャーデックを刷新しました 🎉
カミナシの今と未来が書かれていますので、ご覧ください〜 !
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では、後編でお会いしましょう👋