これから選ばれるのは『役に立つ』より『意味がある』
LCC(格安航空会社)ピーチの元社長の
井上慎一さんは在任中に
『ピーチは何のために存在する会社ですか?』
との質問に対して
『戦争をなくすためですよ』
と即答したそうです。
『若者がいろんな国に行って、
いろんな文化に触れて、
世界中にいろんな友達を
つくれる状況をつくりたい。
そしたら、戦争をする確率は減るでしょ』
『だから、お金のない若い人でも乗れて、
いろんな国に行ける。
そういう航空会社が必要なんです。
ピーチはそれをやるんです』
そう語っています。
ビールメーカーのバドワイザーは、
『のどごしが~』とか『おいしい』
だけを伝えているのではなくて、
ビールを販売する目的をこう伝えています。
『We exist to bring people together』
(人々を集めるためにわれわれは存在する)
ナイキ社は製品の性能について
語ることはほとんどない。
企業の理念、コンセプトを
言語化した『Just Do It』
というキャッチフレーズで
人々の共感を得て、
多くのファンを獲得し続けている。
高級車ポルシェが目指しているのは
『乗っている人をヒーローにする』
なんだそうです。
iPhoneはすごく人気がありますが、
カメラの性能などは
機種によっては、
android製品の方が
はるかに勝っている。
それなのに、
iPhoneの方が高額で販売されていて、
実際にものすごく売れている。
オートバイの
『Harley-Davidson』も同じ。
性能では日本車には
はるかに及ばない。ただ、
『Harley-Davidson』
には熱狂的なファンが世界中にいる。
その理由の一つは、
大衆が商品の裏側にある
『意味』を感じているからなんだと思います。
長年、コツコツと
伝え続けてきた『意味』と
積み上げてきたお互いの信頼関係。
それがやがてブランドとなって、
特定の人にとって、競合がいない
状態になっている。
ポルシェもフェラーリも
iPhoneもHarley-Davidsonも
まったく同じ性能のモノでも
別の名前で売り出したら、
安い価格だったとしても
ファンの方は誰も買わないと思います。
そこに『意味』を感じないから。
これから『役に立つ』だけのモノは
益々、選ばれにくくなって
いくような気がしています。
それは個人にも
まったく同じ事が言える。
『役に立つ』だけではなくて、
『意味がある』『意味を感じる』
そんな人の価値は今後、
どんどん、高まっていくと思います。
モノが溢れている今の世の中、
人も含めたいろんな
分野、ジャンルにおいて、
『役に立つ』だけの限界を感じています。
ポルシェ、フェラーリ、
iPhone、Harley-Davidsonが
これまでやってきた事を参考にして、
『役に立つ』だけではなくて、
『意味がある』を
目指していくべき状況が
ついに、個人レベルにまで
降りてきていることを強く感じています。
そのために伝えていくべき事が
何なのかは誰の目から見ても明らかですよね。
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