幽刃の軌跡 #43
第43話 「備前港の死闘」
時は戻り・・・・現在!
平安国、備前港では「瀬戸内の乱」が激化していた。平安国と四国軍の激しい衝突が続く中、戦局は予断を許さない状況にあった。
中央では、平安国の将軍、源尊と、四国軍のエース平琴太が激しい刃の応酬を繰り広げていた。
琴太「いつぶりやろか。20年は経つか…平家がまだこの平安を納めてた頃やな。」
尊「その頃のことはもう関係ない…お前が今、平安に仇なす敵であることには変わらない。」
琴太「それはそうやな…。なら、本気でいかせてもらうで。霊域…解放!金刀比羅の刃(こんぴらのやいば)!」
琴太の霊域が解放され、強烈なエネルギーがその体から噴き出す。刃を振るい、金刀比羅の力が具現化された刃が尊に襲い掛かる。
尊「お前はあの時の真相を知っているはずだ!!」
琴太「うるさいわ!!俺たちを島流しにしておいて!!!どの口が言うてんねん!!!」
尊「あれは全て…政丸王の意志ではないか!!!」
琴太「わかってる…平家のけつを一人で背負った王にはなにもあらへん。やけど!!!お前らには恨みしかあらへん!!!!」
尊「そうか…言っても和解はできない様だな。ならば…この手でお前を止める!!!」
二人の動きはさらに加速し、刃と刃がぶつかり合い、火花が散る。戦場全体が、二人の闘志に圧倒されるかのように緊迫感が高まっていく。
瀬戸内海上—四国軍本陣
四国軍の総帥である平 真男が動き始める。
真男「全軍!!!備前港を制圧せよ!!!」
四国軍の小型船群が次々と港へ向かって押し寄せてくる。平安国軍はこの攻撃に押され、戦線が崩れかけていた。
平安国第一軍 後方—備前港陸
新たなる声が、平安国第一軍の後方から聞こえる。
???「すんません!!!」
???「おそーなりました!!!!」
後方に振り返ると、そこには平安国第二軍隊長である**飯伏 綾人(いぶし あやと)と、第三軍隊長の宇都宮 影治(うつのみや えいじ)**がいた。
飯伏「戦況はどうですか!?明菜様!」
明菜「今、四国軍の琴太と源将軍が戦っております。しかし、戦況はあまり芳しくありません…。」
那須「我々も第一軍の援護をしているが、小型船群が押し寄せてきていて、どこかで流れを止めない限り、この戦況は大きく変わらん…。」
明菜「お二人の軍隊員はどこですか?なぜ軍隊長のみでここに…?」
那須「第一軍よりも我らに近い第二軍と第三軍が、なぜこんなに遅れたんだ?」
宇都宮「実は…王都の参謀総長である**熊谷 景虎(くまがい かげとら)**様から、私たちに伝令がありました。」
瀬戸内の乱が開戦したすぐ後、第四軍からの伝令が王都に届いた。参謀総長景虎は、第二軍と第三軍に対し、四国軍の別動隊が**淡島(あわしま)**経由で侵略してくることを予測し、対応を指示していた。
景虎の予想通り、四国軍の別動隊が動いており、現在、第二軍と第三軍は淡島でその別動隊と戦っているのだ。
那須「なるほど。景虎様の作戦は見事だな。」
宇都宮「四国軍は少数の部隊で、軍隊長クラスもいなかったため、我々二人が援軍としてこちらに駆けつけました!」
飯伏「それじゃあ…前線に出させてもらいます!!霊域解放!風神の刃(ふうじんのやいば)!」
飯伏は風のごとく前線へ向かい、目にも留まらぬ速さで四国軍の兵士たちを次々に吹き飛ばしていく。
宇都宮「私も参ります!霊域解放!鋼鉄の陣(こうてつのじん)!!」
宇都宮の霊域が展開され、平安国軍の防御が強固なものとなる。彼の強固な守りにより、四国軍の攻撃は一気に弱体化した。
第一軍隊員たち「飯伏隊長!宇都宮隊長だ!援軍が来たぞ!!」
兵士たちは士気を上げ、二人の到来により戦局が再び平安国側に傾き始めた。