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モヒンガー(Mohinga) ミャンマーの国民食は千差万別

ミャンマーの食べ物と言えば、「モヒンガー」と答える人が多い。
朝方街を歩けば、モヒンガーを出している店は簡単に見つけることがでる。
しかし、一言でモヒンガーといっても、スープの作り方、麺の太さ、トッピングなどで随分味が違うのだと同僚から聞き、まずは何種類かのモヒンガーを食べ歩いてみた。
今回はそのうちの8種類を紹介したい。


モヒンガーを簡単に説明すると・・・

モヒンガーはミャンマーの典型的な国民食で朝食として食べられ、お米から作った麺を魚からとったスープでいただく。スープはレモングラスやターメリックなどのスパイスが加えられとても濃厚だ。

しかし、海から遠く離れた地域では、鶏肉からとったスープのモヒンガーもあるのだとか。これは、内陸部出身の同僚から教えてもらった。
いずれにしても、ヘルシーな朝食だ。

そして、ゆで卵、豆のかき揚げ、揚げパン、魚のすり身など好きなトッピングを選ぶことができる。加えて、チリやレモン汁、コリアンダーなどで味変も楽しめる。現在では、朝食としてだけでなく、昼食や夕食に食べる人も多いそうだ。

屋台で食べるときの注意

屋台で食べる場合は、かならず午前中の早い時間帯に行くことを忘れないでほしい。冷蔵庫がないため、傷みやすい麺を常温で保管しているからだ。特に夏季は要注意。もちろん食堂やレストランなど冷蔵庫を完備している場所であればその心配は必要ない。

モヒンガー食べ歩き8選

■ローカルマーケットで初モヒンガー

初めて食べたモヒンガーは、近くのローカルマーケットにある屋台。何せ初めてなので勝手が分からず、言葉も通じずで、近くの人が食べているものを指さしてやっと注文できた。トッピングには、あひるのゆで卵豆のかき揚げを選んでみた。

適当に座っていると数分でモヒンガーが登場。一緒にパクチーや生にんにく、チリなども出された。他の東南アジアの国と同じように、ミャンマーでもパクチーはトッピングによく使われている。嫌いな人も多いが、私は大好きなのでたっぷりかけて頂いた。濃厚なスープとねっとりしたあひるのゆで卵が印象的だった。

濃厚なスープとねっとりしたあひるのゆで卵が印象的だった初めてのモヒンガー

■ローカル食堂でモヒンガー

大抵のローカル食堂のメニューにはモヒンガーがある。徒歩5分のことろにある食堂にはメニュー表はないが、聞いたらあるとのことだったので注文してみた。

今回のトッピングは、一口サイズにカットされたイチャーゴイ(E Kya Kway)と呼ばれる揚げパン。

もとはこんな棒状の揚げパンで、中国から入ってきた

一緒に出てきたのはカットレモン、パクチーにチリパウダー。カットレモンの代わりにレモンジュースを置いている店もある。レモンを絞ると油っこさが和らぎ口の中がさっぱりする。この店の麺はやや太めでやわらかい。冷麦を食べているような感じだった。

この店のスープは濁っていて具材がほとんど入っていないシンプルなもの

■モヒンガーの上の三日月の正体は・・・??

モヒンガーの上に三日月のような形のものがのっていた。食べてみると根野菜のような歯ごたえで、なんだか繊維質が多く、最後まで筋が嚙み切れない。(で、飲み込んだ)
食感も味も、何とも説明が難しいこれの正体は、バナナの茎を揚げたもの。後から同僚に聞いて分かった。

これはトッピングではないので素モヒンガーでも入っている。(※入れていない店もある)ミャンマー人でもこれを残す人がいるようだが、私は今ではバナナの茎がないとモヒンガーを食べた気がしない。

バナナの茎が入っているとボリューム感が増しなぜか得した気になる

■人気のモヒンガーチェーン店

人気があると聞いた「Myaungmya Daw Cho」という店へ行ってみた。このようなキレイ目の食堂は、値段が少し高いが屋台に抵抗がある方にはお勧めだ。

この店のスープは、ラーメンで例えるなら、こってりコテコテ豚骨スープといった感じだ。少し油っこさを感じたのでレモンを絞って味を調えて頂いた。トッピングはあひるの卵と豆のかき揚げで、この二つは私の定番となりつつある。

ここのスープは食べた中で一番濃厚。朝ごはんにはちょっと重いかもしれない

■川辺の屋台でモヒンガー

自宅近くにけっこう汚い川が流れている。その川辺で店を出しているモヒンガー屋に行ってみた。衛生面が気になる方やお腹の弱い方には絶対にお勧めしない。私もいろいろ見なかったことにしている。

ここは麺がそうめん並みに細く、スプーンで簡単に切りやすい。日本人だと箸でツルツルっといきたいところだが、モヒンガーはステンレスのレンゲで細かく切って食べるのが普通だ。

そうそう、モヒンガーは追いスープが無料で、食べ終わると、お玉に一杯程度のスープを入れてくれる。〆にこのスープを飲み干してご馳走様となる。

スープあっさり、細麺モヒンガー。あひるの卵は発音のせいか通じなかったようで入ってなかった

■モヒンガー屋の前に店を出しているモヒンガー屋台のモヒンガー

モヒンガーを出している食堂の目の前で店を出しているモヒンガー屋台でモヒンガーを食べてみた。
前後の店で同じものを出しているが、一方は食堂なので他のメニューも豊富。一方は屋台なのでモヒンガー以外は数種類しかメニューがない。トッピングに選んだイチャーゴイは屋台では作っておらず、後ろの食堂から仕入れていた。

あっさり目のスープがカリカリに揚げたイチャーゴイに半分ほど染み込んでいた。程よくやわらかくなったイチャーゴイも美味しい。

スープあっさりでイチャーゴイと相性がいい

■ナイトマーケットの出店でモヒンガー

自宅アパートの近所に、夕方になるとマーケットが出現する。食材だけでなく日用品や出来合いの物も売っていて、とても便利だ。買い物ついでに時々立ち寄るモヒンガー屋台は、通りの反対側にある喫茶店の出店だ。

夕方になると突然多くの店が立ち並び買い物客でにぎわう

周りは買い物客、天秤やリヤカーの物売りが行き交い、ミャンマー語が飛び交う。そんな光景を目にし、耳にしながらモヒンガーを食べていると、ミャンマーで生きているんだと実感する。

あひるの卵、豆のかき揚げ、バナナの茎の三点盛り

ナイトマーケット Myanma Gone Yi St 4時半くらいから

■ミャンマー語クラスの前のひと時

ミャンマー語のクラスに通っている。習ったばかりのミャンマー語を使って「モヒンガーありますか?」と聞くと「あるよ。」との返事。言葉が通じたたことも相まって、モヒンガーの美味しさが倍増した。スープは色からして辛そうに見えるが、まったく辛くはない。材料は不明だがこの店のスープは私の好みの味だった。

やわらかく煮た小玉ねぎが甘くて美味しい。スープの色から辛そうに見えるが全然辛くない

インドの中のミャンマー

おまけで、インドに住んでいた時に何度か行ったミャンマーレストランのモヒンガーを紹介する。

トッピングの選択はなく注文して出てきたのがこれだ。豆のかき揚げがヒタヒタのスープにどっぷり浸かっている。今見ると、本場のモヒンガーと見た目が違うことが分かる。味はよく覚えていないが、スープが美味しかったという記憶はある。

外国から入ってきた食べ物がその国の人たちによってアレンジされるのは普通のことだし、これはこれで美味しかったので、良しとする。

デリーにはミャンマーレストランが数軒あるが高級路線なのでどこも高い

実は、日本では一度もモヒンガー食べたことがない。日本のモヒンガーは本場と同じか、それとも日本風になっているのか・・・?今度帰国したら是非味わってみたい。
モヒンガーは、地域の数、店の数、家族の数、そして食べる人の数だけあり、とても多様だと聞いたことがある。好みのスープ、好みの麺、様々なトッピング、レモンやコリアンダー、チリを加え、自分だけのモヒンガーを楽しみたい。

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