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(19)一人で作製された劇場用アニメ3選【アニメ感想】
今回は、ほとんど一人で作製された劇場用アニメ3選について紹介のうえ、感想を述べたいと思います。
1.『ほしのこえ』(作:新海誠)
原作・監督・脚本・演出・作画・美術・編集・製作:新海誠、声:長峰 美加子(ミカコ):篠原美香、寺尾 昇(ノボル):新海誠
あらすじ:(SFファンタジー・恋愛)
地球外知的生命体タルシアンと戦うため、リシテア艦隊の戦闘員に抜擢されたミカコと地球に残され平凡に過ごすノボル。宇宙航行の影響により二人の年齢差は開いてゆき、すでに成人をとうに過ぎたノボルのもとに、まだ15歳のままのミカコのメールが届く。
わたしが本作を視聴したのは若い時分でした。
さほどの反感はないものの特別面白いとも思えず、なんとも淡い印象だった記憶があります。
女子がはるか彼方の宇宙で戦っているのに、男子の主人公がそれを家から傍観し、感傷的な独白を繰り返す図式が好みではなかった気がします。すいません(謝っておこう)。
ただ、今ならどう思えるか再視聴してみたい気がします。
2.『絶望の怪物』(作:コタニジュンヤ)
(公式サイト)映画「絶望の怪物」公式サイト
原作・監督・脚本・演出・作画・美術・着彩・撮影・編集・音響・製作:コタニジュンヤ、音楽:AKIKO、声:星野葵:麻言、大宮圭吾:香川理沙、星野俊夫:小川隼 他
あらすじ:(ホラー・SFファンタジー・恋愛・日常系)
星野葵は両親と弟一人の4人家族と暮らす平凡だが幸せな女子中学生だった。学校では友達に恵まれ、クラスの男子にも仄かな好意を持たれる。ところが葵は自身の身体に信じがたい異常をきたす。それは悲劇的な物語への始まりであった。
暗澹な気持ちとなる(ある意味驚かされる)ストーリーでした。
その一方で、内容もそうですが、アニメーションそのものについても、素朴な雰囲気があり、どこか、牧歌的でほのぼのとした日常感にあふれています。
その日常感のある下地が奇抜なストーリーであるにも関わらず、妙なほどのリアリティを与えるような気がしましたし、ストーリーの結末に効果的に作用している気がしました。
3.『アラーニェの虫籠』(作:坂本サク)
原作・監督・脚本・作画・アニメーション・音楽・撮影・編集:坂本サク、企画・製作:福谷修、声:りん:花澤香菜、奈澄葉:白本彩奈、時世:伊藤陽佑 他
(公式サイト)HOME | 『アラーニェの虫籠』
あらすじ:(ホラー・ファンタジー)
女子大生のりんは自身の住むマンションに異変を感じている。どこか異様な住人、不可思議な昆虫の幻影、最近街中で発覚する猟奇的殺人事件の報道、そして、40年前に発生したとされる「首が曲がる」奇病の記録。彼女は「心霊虫」とゆうキーワードに沿って事件の渦中に引き込まれてゆく。
今回3作品中の1番の問題作です(視聴者の好みを別けるのでは)。
絵的なクオリティは高いと思いました。物語を色どる様々な構成要素にも惹かれます。
外観はとても面白いが、一方、視聴に疲れます。
1時間ほどの尺なのですが、疲れてしまって何度か区切って視た次第です。少し観念的な作品かもしれません(好きな方ははまるかもしれません)。
4.上記3作品の共通した感想
第1に、こんなアニメ作品をほとんど個人作業で作り上げるなんて、素直にすごいなと思いました(アニメですよ)。
※わたしなぞストーリー漫画どころか、しょぼい一枚絵でさえ大変なのに。
面白いと思ったのは、やはり分業化された集団(企業やプロダクション)には見られない、ある種の個性的な歪性がそれぞれ持ち合わせているところです。(特に『アラーニェの虫籠』など)
その一方でいずれも作家性はあるものの「劇場用アニメ」としてのクオリティがあり、「訳の分からないもの」や「完全に独善的な」作品になっていないところが素晴らしいなと思いました。
(とはいえ、宮崎駿、新海誠、庵野秀明、あるいは、幾原邦彦など、企業(集団)により製作されても作家性の強い作品は多くあります。)
今現在は様々なツールがあって、かつては企業やプロダクションなどでしかできないことも、個人的な作業である程度のものを作り上げることが可能となった面もあるかもしれません。
そこで言えることは、グループだろうが、一人だろうが、「作ってみる」「行動する」、「やってみる」とゆうことが重要なのだろうと思った次第です。