定食とは即ちドラマ
「とんかつ いわしろ」という定食屋さんをご存知だろうか。
姫路駅の近くで営業すること74年。
知る人ぞ知る、といった感じの名店である。
こちらの売りは、もちろんトンカツを始めとする揚げ物、洋食、、、なのだが。
メニューが独特である。
開店前には行列ができる人気店なのだが、
表のメニューを見ているだけで楽しい。
以前からずっと気になっていたこのお店に、今回ようやくお邪魔する事ができた！
「すんません、嫁と姑ください」。
自分で言っておいてなんだが、、、私はいったい何を注文しているのだろうか。
できれば嫁だけ欲しいです。
そして嫁と姑が、きた。
ご飯、味噌汁、漬物付き。
パッと見、かなりゴチャついていて何がどうなっているのか分からない。
正直、ちょっと汚い、、、。
どうやら嫁と姑の戦争は、最初から混戦の様相を呈しているらしい。
冷静に観察してみると分かってくるのだが、メインのおかずは三品。
とんかつ、チキンカツ、エビフライである。
その上から秘伝のタレがかかっており、さらにその上からキムチの卵とじが全体にかけられている。
うーん、ゴチャつく訳だぜ。
しかし、なるほど。
これはトンカツとチキンカツが嫁、姑であって、その間に挟まっているエビフライが旦那という事か！ うん、知らんけど！
これは、ドラマだ。
定食の中にドラマがある！
表現力がある！
息づかいと芸術性がある！
昼ドラ特有のドロドロ感もある！
む、、、そうか。
キムチは味にパンチを与えると同時に、激しい戦いを表現しているのか。
、、、いや知らんけど。
で、何味？と言われると表現に困るのだが、強いコクと甘みを感じるタレが絡んだ揚げ物というのは、とにかくご飯が進んで最高だ。
この秘伝のタレというのがやたら評判らしいのだが、確かに美味かった！
あ、注意して欲しいのは、このお店は11時半に開店して材料がなくなり次第閉店なので、もしどうしても確実に食べたい人は開店前の昼イチで並ぼう！
ここはいわゆるデカ盛りのお店とは違うが、
確かな満足感。
美味しさとユーモアで満足させてくれる。
あ、でも。
もし「嫁と姑定食ください。姑抜きで」と注文したら、いったい何が抜かれるのだろうか。
ちょっと気になる。
次は「初恋物語定食」でも食べようかな。
やはり甘酸っぱいのだろうか。
