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災害時のトイレ「一人35回分!!」の準備を
今朝の中日新聞朝刊で「災害時のトイレ対策」についての記事を読みました。
私自身、水や食料などの備蓄には気をつけていましたが、「トイレ」については、あまり考えていなかったので大変興味深く読ませていただきました。
NPO法人「日本トイレ研究所」の代表理事 加藤篤さんによりますと、1日5回、一週間分として35回分、各自携帯トイレを備えておく必要性があると訴えてみえます。
排泄は⽣きる上で⽋かすことのできない⼤切な⽣理現象。
被災後、建物が安全であれば、在宅避難を呼びかける⾃治体が増えているなか、トイレ対策について考えておく必要があるでしょう。
では、災害時の停電・断⽔等に備えて、どのように対策、準備をしておけばよいのか。記事とNPO法人「日本トイレ研究所」のHPを参考に調べてみました。
1)災害時に起こり得るトイレ問題
3つの問題が考えられるといいます。
1 不衛生な状態から、感染症などの恐れ
2 食事や水分を控えがちになるため、脱水症や、慢性疾患の悪化、血栓ができるエコノミークラス症候群などを招き、 災害関連死につながる恐れ。
3 ストレスフルな状態になり、さまざまな影響が起こる恐れ。
2)過去の災害で起こったトイレ問題
HP「日本トイレ研究所」のアーカイブにおいて災害時のトイレ事情が公表されています。
例えば、2016年の熊本地震について。状況を写した写真とともに、トイレ問題の概況や概要が挙げられていました。
(写真の内容)
使用できない避難所トイレ
使用禁止になった小便器
入口を閉鎖した避難所トイレ
バケツ洗浄で対応した避難所トイレ
仮設トイレ前の足元のぬかるみ
洗浄水不足を雨水で対応
水洗トイレが詰まり、使用できなくなったトイレ
困った状態ですね。
熊本地震では、死者の約8割が災害関連死で、原因は肉体的・精神的ストレスであると調査にて明らかになっているそうです。トイレに関しての問題も
述べられています。
特に避難所となった学校では、避難所となる体育館内にトイレがなく、
高齢者が屋外のトイレに往復しなければならなかったり、また利用時間が集中したため行列が発生することも。また、仮設トイレには和式が多かったなどの課題が挙げられていました。
高齢者や障がいのある方も安心して利用できるような対策が、もっと必要だということなんですね。
3)携帯トイレをどれくらい準備したらいいの?
では、携帯トイレ準備の「数」について、どのように算出をされているのでしょうか。
「日本トイレ研究所」HPには、以下のことが書かれています。
東日本大震災(2011)において
仮設トイレが避難所に行き渡るまでに4日以上の日数を要した自治体は66%で、最も日数を要した自治体では65日かかったという調査結果がある。
また、被災した自治体の災害用トイレに対する要望の1つとして「高齢者、障がい者の使用が容易であること」が挙げられ、要配慮者に配慮したトイレ環境の確保が課題となった。
このような経緯を踏まえ、南海トラフ地震に向けての目安として一週間分は必要だと提言されています。
4)災害用トイレの種類
屋内用では、
・便器に取り付けた袋の中に用を足して凝固剤や吸水シートで固める携帯トイレ
・便器ごと手軽に持ち運べる簡易トイレ
があります。
屋外用では、
・下水道に直結するマンホールトイレ
・工事現場などにある仮設トイレ
があります。
5)携帯用のトイレ使い方
以下のような手順で使用すると書かれてありました。
1 便座をまず上げて、大きめの袋をかぶせます
2 テープで固定
3 中身が見えにくい黒めの袋をかぶせ、凝固剤を入れます。
凝固剤がなければ、ちぎった新聞紙やおむつでも代用できます。
4 用を足したら黒めの袋を外し、空気を抜いてしばります。
固定するテープや大きめの袋、黒めの袋、凝固剤(もしくは新聞紙やおむつ)の準備が必要となりますね。
以下に、携帯用トイレの使い方が説明されているリンクを2つ貼らせていただきました。
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/minamitama/topics/zaitaku/toirehen.files/kanitoilet.pdf
6)その他 必要な備え
停電に備えて、ランタンやヘッドライト。トイレットペーパーのほか、手を拭けるウエットティッシュやペーパータオルも大切だと書かれてありました。
今回「日本トイレ研究所」について初めて知りました。
過去の災害を忘れず、いろいろな活動・啓蒙をされている方が、たくさんいらっしゃるのですね。私もHPなどを拝見し、少しずつ勉強をさせていただきたいと思います!