東京書店巡りの旅 part2 蔦屋書店~
大きい書店には憧れのようなものがある。近場に大きな書店が無いため、出かけるときはちょっとした旅行のような気分になる。
ズラリと並ぶ本を前に、気になった本を手に取ってみて……気が付いたら時間がすぎていた、なんてことも大きい書店ならではでないか。
前回に続き、今回は東京の「大型書店」を中心に回ってみた。
東京の大型書店を巡る
TSUTAYA BOOKSTORE 渋谷スクランブルスクエア
前日は古書店をみてきたが、今日は大型書店を巡ってみたいと思う。
すでに全国展開されているが蔦屋書店は店舗ごとに特色があるらしいので街歩きもかねて見てみたい。
渋谷駅で電車を降り、スクランブル交差点を歩く。
ものすごい人で、中にはカメラで交差点を撮影している人もいて観光の中心に来たんだなぁと感じる。
交差点を渡った先にある渋谷スクランブルスクエアの11階、目当てのTSUTAYA BOOKSTOREがある。
書店というよりブックカフェという印象が強く、本を探すというより本を読んだり仕事をする場としての側面が強いと感じた。
一時間1650円。 シェアラウンジはそこそこの値段がするが渋谷の景色を眺めながら作業できると思えば高くはないのかな?
代官山 蔦屋書店
渋谷駅から歩いて30分ほど、あれ程いた人が少なくなってきた頃、なんだかおしゃれな店が増えてきた。
余裕のある人々がカフェでお茶をしているのを見ながら進んでいくと、高級感のある街並みに変わってきた。ここが代官山。セレブな街だとは知っていたが実際に目にすると想像以上というか、どこが外国っぽさを感じる。
そして到着、代官山 蔦屋書店。文化複合施設の中にある書店ということで広い敷地に一号館(人文、ビジネス)二号館(建築、デザイン、アート)三号館(旅行、文具)と三棟からなる(二階はシェアラウンジ)。
建物ごとにジャンル分けがされているので非常に見やすく、洋書や普段の書店では見かけることのできないものまでラインナップは多彩で一日いても飽きない。
今日行った書店の中では一番オシャレに感じた。解放感の店内、周辺にはカフェが併設されて皆思い思いの時間を過ごしている。
土地によるものなのか、そこに住んでいる人によるのか分からないけど、とにかくオシャレであった。本の種類もだがそんな雰囲気を味わいたいのなら行ってみるのもアリじゃないかな。
休憩
書店を出た途端どっと疲れが出てきたので近くのベンチで休むことに。
思えば、大型の書店を複数回るなんて経験はこれまで無かった。本を見て回る+徒歩移動のダブルパンチで確実に僕の体力は削られていた。
体力を消耗すれば気力にも影響が出る。そして、それはネガティブな思考へと繋がってゆく。「大型書店なら一つ見れば十分じゃないか、それを複数見ることに果たして意味はあるのか?」と本日の旅の意義を見失いかけてきた
。
旅行中、どこかのタイミングで興奮が冷め「何やってんだろ」と我に返る瞬間があるが、昼過ぎに代官山のベンチでふと思ってしまったのだ。
それでも、手帳にはこれからの予定が書きこまれている。
出発前にあれも観たい、これも観たいと地方民の血が騒いだ結果、これ以上ないほどタイトなスケジュールが出来上がり、旅先で苦しむことに。
近くのカフェで休憩。周りを見ると優雅なティータイムといった感じで、本当にくたびれた顔でコーヒーをすすっている人は自分以外にいなかった。
つくづく余裕って大事だと感じた瞬間であった。
銀座 蔦屋書店
銀座駅を降りて少し歩くとGINZA SIX にたどり着く。六階まで上がると銀座 蔦屋書店がある。この時点でかなり疲れていたが、一瞬疲労を忘れるくらい店内のインパクトは大きかった。
まず目に入ったのがアートスクエアというスペースでここでは定期的にアーティストによる個展が開かれるそう。それが複数開かれるので、まるで展覧会にいるかのようであった。
ここは一言でいうならばアート特化の書店。
アートブックや作品が並べられ、まるで美術館のようであった。異質というか普通の書店をイメージしているとびっくりするだろう。
今まで見たことのない類の場所なのでとにかく新鮮な感覚でこの空間にいられる。これだけのアートをタダで見れるのに申し訳なくなるほど充実している。
ここの目玉は高さ六メートルのブックシェルフ。その日はそのスペースで森本啓太の展覧会が開かれており、インパクトのある空間というのもあって印象的だった。
銀座の蔦屋書店は予想以上に変化球ではあったが、見ていて一番楽しい場所でもあった。行くだけの価値はあったと思います。
誠品生活 日本橋
日本橋の室町テラスの二階。今回の旅行の締めは誠品生活 日本橋。
台湾発の文化体験型の店舗らしく、台湾の食品や雑貨も並んでいて、珍しさもあり興味深かった。
目玉はフロアを一周する形になっている本の回廊、昔の日本橋の街並みをイメージしているのだとか。
さて、これで旅も終わりだが、だいぶ詰め込んだルートになってしまった。
結果、東京駅に戻るころにはクタクタになっていた。
神保町古書店街の時と違い、移動→店内を見て回る→移動→…………と立ちっぱなしなので体力的にしんどかった。途中「スケジュール的に失敗したかな?」なんて思ったが、同じ系列の書店でもその土地ごとの特色や店舗ごとの工夫があって飽きることなく楽しめた。
旅を振り返って
今回は東京の書店に行くという目的の旅行でしたがとても充実した時間を過ごせた。東京に住んでいる人は毎日こんな楽しいものに囲まれた生活をしているのかと羨ましく思うような、流石日本の首都だなぁと感心するような、複雑な感情に浸りながら買った本を眺めています。
この日は書店を四店舗回ったが、体力や時間、本を探す集中力を考慮すると大型の書店は2店舗までに留めておくぐらいが適当に思えた。
大型書店は巡るものではないですね(笑)。今回はそれを学べた。