裕作

趣味は読書、映画鑑賞。エッセイなどを書いていきたいと思います。

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最近の記事

東京書店巡りの旅 part2 蔦屋書店~

大きい書店には憧れのようなものがある。近場に大きな書店が無いため、出かけるときはちょっとした旅行のような気分になる。 ズラリと並ぶ本を前に、気になった本を手に取ってみて……気が付いたら時間がすぎていた、なんてことも大きい書店ならではでないか。 前回に続き、今回は東京の「大型書店」を中心に回ってみた。 東京の大型書店を巡る TSUTAYA BOOKSTORE 渋谷スクランブルスクエア 前日は古書店をみてきたが、今日は大型書店を巡ってみたいと思う。 すでに全国展開されてい

    • 東京書店巡りの旅 part1 神田神保町古書店街

      いままで古書店を利用したことが無い。 BookOffはよく行っていたが、どうも古書店とは呼ばないらしい。 BookOffなどは比較的新しいリサイクル本を取り扱う「新古書店」に分類されるらしく「古書店」は絶版本や発行年数の古いものを取り扱う店といった感じで同一のものではないらしく(それらをまとめて古本屋と呼ばれることも)「古書店」に行ってみたいと思うようになってきた。 そんなわけで古書の聖地とも言われる神保町古書店街へ行ってきました。 神保町を歩くJR御茶ノ水駅で電車を降

      • せんせい。

        著者:重松清  文庫版は2008年に刊行された「気をつけ、礼」を改題したもの 前に読んだ「ロング・ロング・アゴー」のあとがきに著者が本作とあわせて、兄妹のような作品と書かれていた。気になったのでこれも読んでみました。 あらすじ 感想 本作はタイトルの通り先生とその生徒との物語が中心であり「ロング・ロング・アゴー」にも先生は出てきたので、多少リンクしているのかな? 「ロング・ロング・アゴー」は子供の視点から見ているが、本作はおとなの視点や先生という立場から子供を見ている点

        • 旅する力 ー深夜特急ノートー

          著者:沢木耕太郎  2008年刊行 文庫版で382p 「深夜特急」を読んで、著者の沢木耕太郎氏に興味が出てきた。 旅の裏話やこれまでの歩みが書かれていたので、著者のバックボーンを知ることができて非常に興味深い一冊でした。 あらすじ 感想 著者にとって旅とは何か 著者がルポライターとなるまでの歩み 香港からロンドンまでの旅の裏話 「深夜特急」を書き上げるまでの道のり 旅を振り返って 簡単にまとめると以上のような内容になっているが、とにかく著者のバイタリティーに

          【読書感想】ロング・ロング・アゴー

          文庫で398p 著者:重松清  本作は2009年に刊行された「再会」を改題したものである。 あらすじ 感想 重松清の作品は読んだことが無かった。理由は特になく、いわゆる食わず嫌いのようなものだった。 本当に適当に選んだだけでしたが、読んで良かった。そう思える作品でした。 六つの短編が収められてどれも良かったけど”いいものあげる” と "チャーリー”は特に刺さった。 ”いいものあげる”は大型ショッピングセンターの開発部に勤める父の転勤についてきた娘と、街にあるデパート

          【読書感想】ロング・ロング・アゴー

          【読書感想】深夜特急6 南ヨーロッパ・ ロンドン

          著者:沢木耕太郎 電子書籍で購入。 言わずと知れた名作で読んだことのある方も多いはず。 シルクロードを路線バスで乗り継ぎロンドンを目指す旅を記したエッセイ。 1970年代に著者が旅をした時の出来事が書かれているためグローバル化前の海外の雰囲気が知れて興味深かった。 今はだいぶ変わってるだろうなぁ……僕もどこかへ行きたい……なんて考えながら読み進めていくのは楽しかったです。 あらすじ 感想 深夜特急を始めて読んだのは高校生の頃だった。学校の図書館の目立つ位置に置いてあ

          【読書感想】深夜特急6 南ヨーロッパ・ ロンドン

          【読書感想】 大絵画展

          望月諒子 著 2011年2月刊行   文庫本で415p 絵画については詳しくないが、カラーの挿絵が入っていて引き込まれて購入。 本作に出てくる作家について調べながら読んでいくと背景知識も知ることができておもしろいと思います。 あらすじ 感想 ゴッホの「医師ガジェの肖像」を取り巻くミステリー。  バブル期に落札されたこの絵を巡って物語は展開していく。それを落札した男、投資詐欺にあった男女、絵画強盗を持ち掛ける者、それぞれの思惑が絡んだ騙し合いは読み応え十分で、ラストの種

          【読書感想】 大絵画展

          【映画感想】 パリタクシー

          Amazon Prime Videoで視聴  2022年製作 1時間30分  監督:クリスチャン・カリオン  ジャンル:コメディ、ドラマ だんだん涼しくなってきましたね。 秋らしい映画はないかと探して見てみました。 あらすじ 感想 あと2点で免許停止のタクシードライバーであるシャルルが92歳のマドレーヌをパリの反対側まで送るうちに打ち解けていくロードムービー。 閑静な住宅街であるブリ・シュル・マルヌから目的地の老人ホームのあるクルブヴォアまで30キロほど。道中マドレ

          【映画感想】 パリタクシー

          昔を思い出す曲

          先週、「これはただの夏」という小説を読んだ。 内容はもちろん良かったが各章にタイトルがついていた。 大きめのフォントでページの半分くらいを占め、一つ一つが印象的だったのでやけに記憶に残った。 なかでも印象に残ったものは であり、主人公はサザンオールスターズのアルバム「稲村ジェーン」を聴いていた。 確かに昔聞いていた曲を久しぶりに聴くと、その時に連れ戻されるような感覚を覚えることがある。 その時の記憶と音楽が結びついているのか、仲の良かった友達とか、学校で遊んだ記憶とかが

          昔を思い出す曲

          【読書感想】 これはただの夏

          著者:燃え殻 2021年 7月刊行  文庫版は2024年 9月に刊行 p234 出先で見つけて面白そうなので購入。個人的に好みにドストライクな小説だったので大変満足。 夏も終わりに近づいてきている、そんなときにお勧めしたい作品です。 あらすじ 登場人物 秋吉:テレビ局の下請け会社で美術製作をしている。 大関:テレビ局の敏腕ディレクター、百キロ越えの巨体でなにかと秋吉の面   倒を見ている。ステージ4の松。 優香:知人の結婚式で出会う。五反田で風俗嬢をしている。

          【読書感想】 これはただの夏

          連作短編と長編小説

          最近、短編が章ごとに続く形式の作品を読む機会が多い。 基本あらすじで面白そうなものを選ぶので偶然なのだが、ある程度数を読むと傾向みたいなものがつかめてきた。 今回は連作短編と長編、この二つの形式について語りたい。 連作短編形式 まず、連作短編は完結した物語が連なった形式。 それぞれにに起承転結があって、章ごとにきちんと終わりがあるため読みやすい。 そして最後まで読んでいくと一つ一つの章がつながりが見えてくる。まるで点と点がつながっていく気持ちよさがあり、初見のインパクト

          連作短編と長編小説

          【読書感想】アイネクライネナハトムジーク

          著者:伊坂幸太郎 2014年刊行 285p あらすじ 感想 連作短編とはすこし違うけど複数の短編がリンクしており、一見つながっていないような話でも最後まで読むときれいにつながっている。 さすがと言いたくなるような作品。 本作は6章に分かれていて、その章でクローズアップされる人物の知人が他の章の主人公だったりする。 関係がなさそうで複雑に絡み合うようなプロットはさすがの一言。 会話のテンポもそうだが内容も面白く、飽きない。 個人的に好きなのは最終章のボクシングのパート、

          【読書感想】アイネクライネナハトムジーク

          【読書感想】 ふたえ

          文庫版で購入  2018年刊行  白河三兎著  351p あらすじ 感想 裏表紙を見て、修学旅行を通した青春活劇的なものと予想していたがみごとに裏切られた。 ミステリー要素がすごく、最後まで完全に分からなかった。 二度読み必須というのも頷ける、それくらい緻密に書かれた作品だった。 物語は二年五組に「手代木麗華」が転入してくるところから始まる。 しかし。その傍若無人な振舞いからクラスで完全に孤立することに…… 修学旅行で集まった「ぼっち班」で、各章ごとに一人ずつエピソ

          【読書感想】 ふたえ

          【映画感想】 ホーム・アローン2

          1992年公開  120分  コメディ映画 監督:クリス・コロンバス 主演:マコーレー・カルキン  子どもの頃から何度も見てきたが、何回見てもおもしろい。あらためて鑑賞するたびに発見がある。 あらすじ おなじみ、クリスマスコメディ第二作。マイアミへの家族旅行の際、飛行機を乗り間違えたケビンは1人だけニューヨークに着いてしまう。父親のクレジットカードで観光、ホテルを楽しむ中、脱獄した泥棒コンビと再会。懲りずに強盗計画を企む彼らに、ケビンは再び罠を仕掛けていく。 感想

          【映画感想】 ホーム・アローン2

          【読書感想】 学生街の殺人

          文庫版で1990年刊行 東野圭吾 著 475p かなりのボリュームで読み終わるのに三週間くらいかかった。ここまでの長編を久しぶりに読んだ。読書って体力要りますね。 あらすじ 感想 大学を卒業後、親に大学院に進学したと嘘をつき、喫茶店「青木」のビリヤード場でアルバイトをしている津村光平はひょんなことから同僚の松木の殺害現場の第一発見者となってしまう。 その後も学生街のなかで起こる連続殺人事件の謎を追っていくミステリー。 事件の犯人が明かされた後も謎が残されていて、そ

          【読書感想】 学生街の殺人

          【読書感想】 たんぽぽ娘

          あらすじ 感想 タイトルだけを聞いたことがあり、こんなに短かったのかと思ったが、小説で大事なのは長さでないことに気付かされる。 主人公のマークは丘の上で初めて会うたんぽぽ色の髪の娘ジュリーにこう言われます 詩的でありなんともロマンチックなセリフである。本作を語るうえでこのセリフは外せないだろう。 妻を持つ身であるマークだが、一気に彼女に惹かれていく。 また合う約束をして、未来の話やお互いのことを話し合うが、彼女は父が亡くなったこと、タイムマシンが壊れかけているため

          【読書感想】 たんぽぽ娘