落合博満
私は子供のころ現役生活最晩年の落合のホームランを見た。
当時の落合は私にとってロートルに過ぎず、イチローに夢中だった。
だが、落合がホームランを打った瞬間周囲の大人は色めき立った。
「おい、落合がホームランを打ったぞ」
「さすがは落合だ」
そんな声がそこかしらに溢れていた。
あぁみんな落合という選手が好きなんだな。そんな風に思った。
それから数十年落合は監督になった。
様々な波紋を呼びながらも中日を常勝軍団にした。
この本でも描かれているが、落合という人はまっすぐな人なのだと思う。
多分誰も落合を嫌ってなんかいなかったじゃないかと思う。
ただただ、怖かったのだと思う。
まっすぐな人間に自分の嘘を見抜かれた気がして・・・
落合監督は野村監督に通ずるものがあるように思う。
どちらにも「考える野球」という共通点があると思う。(今や考えない野球などないと思うが)
だが、野村監督は選手たちを生徒として扱った。どう考えるかを教え込んだ。
一方、落合監督は選手たちをプロとして扱った。教えることなく考えさせた。
野村監督はその手法で教え子たちは多く監督になった。
落合監督の教え子たちが今後どのくらい監督になり落合の「教え」を広めるのであろうか。
もちろんそんなことを落合に問うても、
「そんなこと契約書に書いてない」
と一笑にふすだろうが。
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