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自分の殻を破る

小さい頃のわたしは、今思うと野獣だったなぁって思う。

わたしはよく大人達から嫌われていた。

いや…同級生からも嫌われていた。

それも当然。わたしだって自分みたいな子と仲良くなりなくないもの。

いつもそうだった。

引っ越しが多かったわたしは、転校をよくしていた。

新しい小学校にいくと、最初はキャーキャー騒がれた。

なんでかって?

それは幼い頃のわたしはそれなりに可愛かったからだろう。

よくハーフと間違えられることもあった。

でもねぇ…。全然人気はないの(笑)

どんどんわたしの周りから人はいなくなっていった。

わたしは孤独であった。

そんな自分がかっこいいとも思うことにした。

休み時間は誰とも絡まずに机で絵を描いていた。
 
外でワイワイ遊ぶなんてくだらないってね…。

わたしが大嫌いだった授業。

それは……体育だ。

なんとなく想像つくと思うが、体育は誰かと組まなくてはいけない競技が多いからだ。

ドッチボールの時は早く終えたいので、ボールを避けないでボールが当たるように立つのが鉄則。

鬼ごっこでは逃げずにタッチされるのを待つ。

わたし待〜つわ。いつまでも待〜つわ…。

誰も来なければそのまま………。

一番厄介なのが、サッカーやソフトボールなどのチームプレー系。

これに関してはわたしがミスるとチーム全員に迷惑をかけることなる。

みんなわたしとチームになることを拒否ることになる。

だからわたしは休むことにしたのだ。

そしたらわたしもみんなも困らないと思ったから。

そんなわたしは欠席の女王と言われていた。

けして威張れるものじゃないけど…。

こんな根暗の捻くれたわたしでも本当はみんなと遊びたかったかもしれない。

でもどう接すればいいのかわからない。

すぐにみんなの輪に入れるような子が羨ましかった。

だけどその勇気がわたしにはなかった。

わたしはいつも一人ぼっちだ。

はないちもんめをしても最後に残るのはいつもわたし。

わたしの嫌われ具合を公表しているみたいで一番苦手な遊びのひとつであった。

わたしはいつしか人間が嫌いになっていった。

けれど、誰にも相談できなかった。

こんな情けない自分をさらけ出す度胸なんてわたしにはなかったから。

家に帰ってから飼っている犬と遊ぶのが一番の幸せ。

わたしのことを1番理解してくれる。母親とも親友とも言える心の支えであったから。




そして…わたしは中学生になった。

この頃、わたしの心になにかが芽生えた。

このままではダメなんじゃないか…?

わたしはこのまま、なにもないまま…死んでゆくのではないだろうか…。

なんだかそんな自分を想像したら怖くなった。

「わたし…変わらなきゃ」


そして自分の殻を破る決心をする。

前のわたしだったら絶対選ばないような部活に入った。

テニス部だ…。

わたしは周りの子たちの明るさにドギマギしていた。

みんなペアになりボールを投げ合う練習を始める。

わたしはひとり取り残されていた。

やっぱりかぁ。

みんなの掛け声が雑音に聞こえてくる………。

早く帰りたくて体育座りをしながら下を向いていた。

そんなときだった。

「こら〜ぁ!遅刻だぞ〜」

顧問の先生の声が響いた。

わたしは声がする方を見る。


栗毛のクルクルの髪が印象的な女の子が走ってきた。

「あっちゃ〜…遅くなってごめんね〜」

女の子は舌をペロッと出して謝る。

「おまえなぁ…目上には敬語を使いなさい」

先生は呆れた顔で言う。

そして女の子と目が合った。

「あれ?まだ誰とも組んでない感じ?じゃあ一緒にやろうよ♪」

女の子の言葉にわたしは一瞬トキが止まった…。


わたしに言っているの?

わたしはキョロキョロと周りを見渡す。

女の子は首を傾げながら言う。

「キミ以外に誰がいんのさ(笑)早くやるよ!」

「あ…はい!」

「タメ口でいいよ(笑)」

わたしと女の子は一緒にテニスの練習を始めた。



初めての感覚だった。

こんなに人と一緒になにかをするのが楽しいなんて思ってもみなかった。

なんだか嬉しくて涙が溢れてきた。

それを悟られたくなくて我慢した…。

けれど…バレてしまった。

目にごみが入ったみたいと誤魔化した。

それからというもの、わたしは少しづつ変わっていった。

人と話せるようになった。

笑顔が作れるようになった。

わたしに変わるきっかけをあたえてくれたテニス部。

ありがとう。

勇気をだして新しい世界に踏み込んで良かった。

それがなかったらきっと、今のわたしはいなかっただろう。

自分を変えたいなら自分で動くしかない。

その行動がきっと明るい未来への扉を開くことになるから。







#想像していなかった未来


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