殯(もがり)
かつて天皇家のような貴人は亡くなると燃やされる事はなかった。
殯宮(もがりのみや)という場所で1年間程放置されたのをご存知だろうか?
仮の墓所という野っぱらに放置されるのだ。
喪に服すと言うが
「殯」は喪から上がる、または仮の喪と示されている。
殯は焼かずほぼ鳥葬の感じだったと思われる。
火葬をするようになったのは安定しない政治の争いや災害、飢饉の為に増えた死体を処理しなければならない状況だったからだ。
更に古代の天皇が死んだ時にはその族らは一緒に埋葬されていた。
死後の世界が信じられ、困らないようにと。
そんな呪われた土地が「八幡の藪知らず」の様に禁足地になったのでは?と私は思っている。
人が入らないので草は刈られず風か飄々と鳴るであろうその音を〝虎落笛〟(もがりぶえ)と言うのは偶然では無いと思うのだ。