PENTAX SPというカメラ
日夜オールドレンズを探す私。しかし、都会に出ていくにはちと電車賃が高い。どうにか近所にカメラ屋さんはないものか。そうやって調べると、あるではないか!
しかも地元の青葉台駅近くに!
これは行くしかない!
チャンプカメラ
青葉台駅の近くにあるカメラ屋さんはチャンプカメラさん。HPを見ると、オールドレンズもオールドカメラも売ってるとのこと。ちょいとおじゃまをすると…。
1番最初に目についたのはたくさんのフィルム!圧倒的、ひたすら圧倒的な数に見えるフィルムがお迎えしてくれた。そのフィルムの棚の真ん中に…オールドカメラ!しかしこれはフィルムカメラみたいだ。オールドレンズは無いのかしら…。
店内を見渡すと、オールドレンズ売り場らしきものは無し。そうか、青葉台店さんにはオールドレンズは無いのか。そのまま帰ろうとする私を引き留めるかのように、一つのカメラが目を引いた。
世界で最も売れたカメラ
それがPENTAX SPだった。
ザ・カメラと言わんばかりの外見。重厚な金属の筐体。これが私の目を奪った。じっと見ること5分程度。触ってみたかったので店員さんに出してもらった。
いやー、お客さんお目が高いですよ。そんなことを言われながら渡されたこのカメラは、どうやら世界で1番売れたフィルムカメラだそう。持ってみるとずしっと重い。金属と皮とガラスでできた、カメラの中のカメラがそこにあった。
巻き上げの仕方を教えてもらい、抵抗のかかる巻き上げレバーを押してから優しく戻し、シャッターを切る。聞いたことのない、カシャン!という金属の当たる音。
良い音ですよねーと店員さん。
確かに良い音。フィルムカメラという、カメラの原型とも言えるものの音。さらに巻き上げてシャッターを切る。この音がする。カシャン!と、金属が尾を引くような、それでいて短い音。この音、私は好きな音だ。
フィルムカメラはやったことがない。けどわかる。何がわかるか?お金がかかることだ。フィルム代、現像代、データ化代、プリント代。全ての工程でお金がかかる。もちろん、カメラの値段はデジタルカメラよりも安い。しかし、続けるにはランニングコストが必要だ。わかっていた。わかっていたが、私は好奇心には逆らわないタチなのだ。
お金を払い、包装している時に店員さんが言う。
「いやー、お客さんが買ってくれて良かったです。巻き上げレバーを戻す時、ちゃんと親指離さずに最後まで添えててくれたでしょ。離してパーンと戻しちゃうんじゃなく。こういうちゃんと優しく扱ってくれる人に買われて良かった」
いやいや、そんなことを言わんでください。
そんなこと言われちゃったもんだからフィルムも2つ買っちゃった。
チャンプカメラさんでは、フィルムを買うとスクラッチくじが引ける。このクジで出た金額分、現像代が割引になる。現像もチャンプカメラさんで出来るし、速い。
私はとんでもない沼にまたハマったなと思いつつも、フィルムで撮る撮影体験が待ち遠しくなった。
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