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「空の発見」展

松濤美術館の「空の発見」展へ。

植木等は「見ろよ、青い空、白い雲。そのうちなんとかなるだろ〜♪」と歌っていましたね。

でも、同じ空を見上げていたはずなのに江戸期以前の日本の絵画には、その様には描かれていなかった。
そもそも空自体に関心を持っていなかったらしい。

しかし幕末〜明治以降、西洋の透視図法を導入していくプロセスで「空」はどうしても画面に入ってきてしまうので描かざるをえないものとして出現し、やがてその青さ、高さ、雲、星は、幻想や心象を託すものとして、表現されるよーになっていった。
という感じでしょーか?

建築の歴史にも過渡期的な「擬洋風建築」というのがあるのですが、同じよーな「擬洋風絵画」とも呼ぶべき作品群の中での「空」の扱われ方が、興味深かったです。

また、こういった近代に生じた「転回」というテーマは柄谷行人「日本近代文学の起源」に収められている「風景の発見」とつながる話だと思うのですが、参照しているのでしょーか。

司馬江漢「犬のいる風景」、高橋由一「中洲月夜の図」、武内鶴之助の連作、池田遙邨「災禍の図」、瑛九「宇宙」が印象に残りました。

しかし松濤美術館、コレクションないはずだから、あちこちから借りてきてよく構成しましたね。
学芸員さん、がんばった!

興味ある方、どーぞ。

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