変な予感
どういう理由か忘れましたけど、昔々、日本にもワッフルの専門店があったんですよ。チェーン店で。
うろ覚えなんですが、後にアメリカに暮らした時に
「っ!!!このお店・・・」
と思ったのを覚えているので、もしかしらワッフルハウスだったかもしれません。
(*以前に日本にあったかどうか知っている人がいたらぜひ教えてくださいね)
彼が私のところまでバイクでやってきました。
なぜこの流れになったのかが思い出せないのですが、とにかく呼ばれて行って、2人で朝方までそのお店にいたんです。
そのお店は私の家のすごく近くにあり、駅前の国道沿いにありました。
お金も持っていないので、普通にワッフルを食べて、2人でボサーーーっとしていたと思います。
黙って2人で外を見ていると、角にある銀行の前でバイクの少年が小さな事故を起こしたんです。それを2人で見ていました。
でも、私は何となく変な気持ちになって
「このまま彼を帰したら、なんかマズいことになりそうだ・・・」
という何となくそんな気がしたんですよ。
でも、それっきりそんなに大きく私の心に鍵がかかったように残ることはありませんでした。
その事故ったバイクの少年が1人で立ち上がり、警察は簡単な現場検証を終え、また通常の国道沿い、銀行のある交差点に戻りました。
2人で安心したんですね。よかったって・・・
時間も時間だし、そろそろ帰ろうという話になって、私の家の近くまできたんです。そして、私は犬を家から出してそのまま散歩しようと思って家に戻ったんですが、犬が立ち上がれない程具合が悪くなっていたんです。
慌てた私は、彼を呼び、2人で大きな犬を持ち上げて水を飲ませて、草の生えている広い場所に寝かせたんです。
すると、不思議なことにすぐに元気になったんです。
犬の生命力ってすごいねぇ〜・・・と2人で話していると、今度は、彼がいきなり元気がなくなり、口もきかなくなったんですよ。
私は全く訳がわからなくなって、どうしたらいいのか本気で困りました。
ただ、その時の私の犬は、彼から離れず、ピタッと体を寄せていたんです。
彼に話しかけても、返事がない。
返事があったとしても、なんか、心ここに在らずって感じ。
顔を見ると、今まで見たことのないような気の抜けたような・・・何というか、そういう表層の人間は今まで見たことがないというか。。。なんか、変な様子。
そして、しばらくして一言私に言ったんです。
「もう、行かなきゃいけないような気がする・・・」
って。
でも、不思議な事になかなかエンジンがかからないんですよ。
今のバイクはわかりませんが、チョークというのがついていてそれを引くと寒くてもエンジンがかかりやすくなるんですが、チョークをいっぱいに引いてもエンジンは一向にかかる気配がなかったんです。
諦めかけたとき、
「ブーーーーンッ!!」
と言う、寒い早朝に響く乾いたエンジンの音・・・
エンジンがかかると、普段ならエンジンが温まってから走るのに、その日はエンジンがかかってすぐに走り出して行ってしまいました。
それを私の犬が追いかけて走って行ったんです。
ずーーーーっと遠くまで走って行ったんだと思います。
しばらく帰ってきませんでしたから・・・
私も、仕方がないのでその場で犬の帰りを待っていました。
するとしばらくして遠くから歩いて戻ってくる私の犬が見えてきたんですが、犬も私の姿を見つけて、走って戻ってきました。
その後、すぐに自分の部屋に戻り、何となく恐ろしくて恐ろしくて私は何も考えたくなかったので、ベッドに入り眠ろうと頑張りました。
そして、電話の音で起きるまで、黒いパーカーを着たままぐっすり犬を抱いて眠ったんです。
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