脳梗塞発症のこと あの日の青空
2019年に脳梗塞を発症して丸5年が経っていた。
この年からは色々あったし、目まぐるしい5年だった。
私は倒れてない
朝、目覚めて起きようとするけど、布団の中におぼれていくようだ。
何とか起きてベットから降りたら、ひっくり返った。
夫のギターにぶつかって、ギターが
「ぎゅい~~~ん」
と鳴ったのを覚えている。
1人で立てたので、
「大丈夫 大丈夫」
と言いながら洗面所に歩いた。
なんか右にそれる。
体調も悪い。
それでも強引に支度をして家を出た。
あとで夫が
「あの時に出かけさせた事を後悔している」
と言っていた。
病人を出した家族はそう思うんだよね。
いえいえ自分の判断だよ。
駅までの道、歩けるけど、右にそれていく。
修正しながら歩く。
時間がかかってしまった。
「ええぃ タクシーで行こう!」
と乗車。
「●●へ行ってください」
とドライバーに伝えた。
「え??どこですか??」
と聞き返された。
自分の呂律が回っていない。
なんかマズい事になってる?
「まっすぐ歩けない 呂律が回らない」
スマホで調べた。
脳関係の病気が出てきた。
三半規管の問題もあったので、多分それと思った。
会社から病院
最初に会った後輩に
「体調悪い」
と伝えた。
「帰っても良いし、休憩室で少し寝てきても良いよ」
再び帰るのはしんどかったので、休憩室のベットに行くことにした。
数時間後に起きたけど、やっぱり体調はすぐれない。
まっすぐ歩けない。
様子を見に来てくれた後輩が、近くのクリニックに一緒に行ってくれた。
ドクターの簡単な診察後、
「救急車を呼びます。
すぐに近くの大きな病院に行ってください。
多分脳梗塞」
担架に乗せられて外に出た時に見えた関東の冬の抜けるような青空は忘れない。
あの時から私の人生は変わり始めた。
病院に着いたら、連絡を受けた主人も着いていた。
「あの時に出かけさせてごめんな、ごめんな」
と言っていた。
その彼は今はもう居ない。
心配させたままのお別れとなってしまった事こそ、私の大きな後悔。
病院でCTを撮り、脳梗塞確定。
そのまま入院
実際はこの日から初夏まで入院(途中、リハビリ病院への転院あり)
その後、冬にまた入院。
と長い入院生活の年となった。
以上が2019年1月の出来事、そして
初夏に夫が亡くなる。
その後、私は再入院。
担当していた仕事ができなくなり、翌春に異動。
数年後に今の夫と出会う。
再婚する。
2023年にセカンドキャリアの事を考え始めて前向きになってくる。
こんな感じで今に至る。
脳梗塞にならなかったら、
きっと今も当時の仕事をやっているかも。
もしかして夫は死ななかったかも。
なんて思うけど、「たられば」は意味がない。
過去は変わらない。
だから「今から」を見ていくしかないのよ。