エッセイ『forget me note 第６話』
君「おーし全裸になってお布団の中に入ったぞ！
しんやのおとぎ話聞かせれ」
僕「僕も全裸～、明日さえわからん身ではありますが、
今夜も精一杯のおとぎ話をゆくんに捧げるぞ(*^_^*)」
君「しんやのグループホームでの生活か、
就労継続支援事業所での作業風景が知りたいな」
僕「そうか、主にどんなこと？」
君「１日の大体の過ごし方かな？」
僕「わかった。グルホと事業所どっちが先がいい？」
君「そりゃやっぱしんやのベースであるグルホからでしょ」
僕「委細承知いたしました」
君「できるだけわかりやすく頼む」
僕「はい、まずは起床からね。
起床は大体６時から６時30分の間が多いです」
君「まぁ、普通だね」
僕「そこからリビングダイニングにてバイタルを
測定していただきます。血圧や熱、酸素飽和度ですね」
君「想定の範囲内だね。しんや血圧はどんな感じ？」
僕「僕はすでに降圧剤飲んでますが、
それでも最高が130前後まで行くのが常態化してますね」
君「あかんやん」
僕「それから朝食をいただいて、ごちそうさましたら、
ストレッチと筋トレして、
ようやく身支度ですね。
事業所へ行くときはもう行ってきますになります」
君「行かない日で続きよろしく」
僕「はい、行かない日は自室に掃除機かけて、
次亜塩素で床を磨きます」
君「おお、思ったよりまともなことしてんじゃん！」
僕「地味にへこみますが続きを。
そこまでがアバウトで８時30分から９時ですから、
僕が事業所行かない日は他の利用者さんの
見送りをします。
それで９時から11時30分の間の何処かに
ヘルパーさんの移動支援が入ってきてくれまして
30分から40分くらい外出します。
主に散歩ですね
それ以外の時間はほとんどネットサーフィンしています」
君「今のしんやって全然問題なくね？ 本当に障がい者？」
僕「障害者手帳はもってますよ？」
君「しんや自身は自分のことどう思ってるの？
本当にグループホームに入ったままでいいの？」
僕「他者に大きな実害を与えることはありませんが、
世話人さんたちとお話してるとやっぱり自分は劣ってるな、
そう思うことは頻繁にありますよ。
あとは薬物依存。これを克服できない限り、
僕は絶対に集団生活の中でしか生きていけません」
君「そっか、わかった。続けて」
僕「はい、それで大体11時20分頃から昼食が始まるのですが、
僕は大体正午頃にいただくようにしています。
食べ終えたら、自室でお風呂に入る準備をして、
済んだらヨガマットによこになります。
それで世話人さんに呼ばれたらお風呂に入ります。
ここまででざっと12時30分から14時30分という感じです」
君「また先入観だけれど思ったよりタイトな生活なのね」
僕「そうかな？ うん、そうですね。
それで15時までにお茶とおやつを出していただけます」
君「他の利用者さんとの交流はあるの？」
僕「ほとんどありませんね。
ただよくわからない行動をする方や、
奇声や大声を出されるお方々がちらほらいますけど、
僕にはもうBGMみたいなもんです。
僕も同レベルですからここにいる訳ですし仕方ありません」
君「しんやの本当に解決しなきゃいけない問題は
きっともう薬物依存くらいじゃない？」
僕「そうですね。
それさえ克服できれば一人暮らしにも戻れますね。
でもそのただひとつの壁がぶ厚すぎてどうにもなりません」
君「もっとひととつながりたまえ少年」
僕「正論でしょうが、ひとりのほうが落ち着くんですよね」
君「ふん、それじゃ16時以降を教えてくれさい」
僕「はい、16時には夜勤の方がいらっしゃるのです。
16時から17時30分くらいはおおむねゆったりできます。
ここまで来たらもう１日の終わりを感じ始める時間帯です。
そして、夕食をいただきます。
その後は日勤のお方々と１日のお別れをして、
大体19時頃に完全に自分のための時間帯になります。
今はファッションインフルエンサーの動画を拝見するのが
楽しみなので２時間足らず拝見し、
21時にはお布団というルーティンですね。
その間に眠前薬をいただくのは絶対です」
君「もっとぐうたらな１日かと思ってたけど、
わりときちんとしてるのね」
僕「以前の一人暮らしの頃とは雲泥の差だと思ってる」
君「異議なし」
僕「ゆくんの１日も教えてもらいたいな……」
君「やーだよ」
僕「んでもゆくんのパートナーやお子さんのお話とか
君から直接聞いたらただへこむだけじゃ済まないだろうな」
君「嫉妬しちゃう？」
僕「気が狂いそうなくらい」
君「ふふ♪ やーだよ♪」
君と僕「つづく！」
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