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俳句日記③
黒鍵に遅日の影の長くあり
虚脱している。あの日の私も、今だって私は。
小学一年生の頃、音楽の授業で、鍵盤ハーモニカを人前で一人ずつ吹くということがあった。
私は楽器の演奏が苦手だった。鍵盤を押しながら息を吹き込めば何とか音は出るはずなのだが、それすらもできなかった。
遠くから教師の叱責と級友たちの笑い声が聞こえるような気もするが、呆然自失してしまって何の反応もできなかった。
そんな子供だったなぁ、と思う。そんな子供だったことも忘れて自分の子供を叱責する、そんな大人になってしまったなぁとも思う。
急いだり急がせたり、いったい何をそんなに慌てているのだ。
だいぶ日が伸びた。今頃になって、そんなことに気がついた。