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俳句日記 ①

りっしんべん書きて春霖窓を落つ


雨が降っている。

いつまでも止まない、長い雨だ。この季節の長雨を春霖というらしい。

結露して曇った窓に誰かが触れ、そこだけが透明に外の世界を写している。窓の外側を雨粒が垂れていく。

水滴の塊の落ちていく軌跡が、何か文字を描いているようにも見える。

りっしんべん。

ふと、そう思った。人間の心を表す漢字の部首だ。

りっしんべん。

この雨はどこに落ちていくのだろう。

雨が降っている。長い雨だ。

心にまで染みてきそうな、長い雨なのだ。



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