人に合わせすぎてしまう自分へ
静かにニヤニヤと馬鹿にしたように笑っているあやちゃんを見て、何か余計なことを言ったらしいと察した小学4年生の私。あやちゃんの顔を鮮明に覚えている。あの頃から私の中に「自分の正直な気持ちを人に合わせて変換する私」がいる。
あの時はびっくりしたね、と彼女に話しかける。
「なんであんな顔するんだろう、私何かおかしいこと言ったのかな。怖かった」
そうだよね、怖かったね。
「家に帰っても誰も私の話を聞いてくれないの」
そうだろうね…その時はちょうど両親が離婚して引っ越す頃だもんね
「5年生のときも6年生のときも仲間外れにされたりして怖かった。でもお母さんは仕事で大変そうで何にも言えなくて…」
そっか、そうだったね。つらい気持ちのまま頑張って学校に行ってたね。つらかったよね…嫌だったよね。あの時家で話を聞いてくれる誰かがいればよかったね。
「私が変なこと言わなければ、周りに合わせて頷いていればあなた傷つかなくて済んだでしょ?だから私とってもがんばったんだよ」
そうだね。中学生になって変なあだ名をつけられたり給食で嫌がらせをされたりイジメられたときも、接客のアルバイトが上手くできなくてお局さんに無視され続けたときもあなたのおかげで乗り越えられた。今ある環境もあなたのおかげ。あなたがいたから私は生きてこれたんだ。でもね、私はもう大人になったんだ。子どもも2人いる。私は子どもたちにも夫にも自分を偽って生きてほしくない、まずは私から自分らしい自分になりたい。
「私のことはもう邪魔になったの?」
ちがうよ。私はきっとなんでも自分の感情のままに喋ってしまう。だからあなたの力が必要で、相手の状況や気持ちに合わせすぎずに自分の気持ちも大事にしていきたい。これからも一緒に生きていってほしいんだ。私は人に伝えることを仕事にしたい。だから少しだけあなたの力を弱めてくれたらいいの。
「ほんとにそれで大丈夫…?また傷ついて泣くんじゃないの?」
私はもうあのときの子どもじゃなくて大人になってる。たくさん泣いた分だけ本当の自分に近づけることも知った。だから大丈夫!でも近くでずっと見てて、私が暴走しそうになったらアドバイスしてね。これまで私を守ってくれて本当にありがとう。
「わかったよ。あんまり無理しないでね」
自分を変えたいと思うとき、何かを習慣づけようと思ってもなかなか続かないとき、応援してくれるのは他でもなく自分自身なんだね。自分と対話すると心の底から勇気と希望が湧いてくるので本当に気持ちが良い。自分と向き合う時間はお風呂か寝る前のひとりの時間に…
私の中にはまだまだたくさんの私がいる、会いにいくのを楽しみにしてるよ
↓ワークの方法が詳しく載ってます
橋本翔太
わたしが「わたし」を助けに行こう-自分を救う心理学-
リチャード・C・シュワルツ 他3名
「悪い私」はいない 内的家族システムモデル(IFS)による全体性の回復「悪い私」はいない 内的家族システムモデル(IFS)による全体性の回復
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