「踊りなさい、自分を見失わないために」
あれこれ重たいタスクが全身に積み上がり、昨夜は泣くことしか出来なかった。
幸いにも、東京は台風からの雨雲が断続的に流れ込み、泣きながら歩く私の顔がグズグズになっていても傘で隠せた。
が、ダンスパートナーには隠せない。
アルゼンチンタンゴは抱き合って踊るが故に、私が泣かないようにと嗚咽を嚙み殺す所作まで筒抜けだ。
パートナーはとても思慮深く、猪突猛進な私を見事にコントロールしてくれている。
安心と信頼のクオリティで繋がっているパートナーの前だから、素直に泣いている自分を曝け