子育てにも使えるコーチング
11年間つとめた地方公務員から転職し、
新潟でキャリアコーチングやっている、じゅんです。
20~30代の事務系公務員に関する記事をアウトプットしています。
僕は主にコーチングによって対人支援をしています。
実は、対人支援には多くの種類があります。
コーチング、コンサルティング、ティーチング、カウンセリング。
対象や目的によって、使い分けたりミックスしたりしています。
そんななかで、気づいたことがあります。
コーチング(対人支援)のスキルは、子育てでも役に立つ。
公務員のキャリア記事とは少しズレますが、
コーチングと絡めて、すぐに使える子育てフレーズを紹介してみます。
「なぜ」よりも「どうしたら」
なぜ(Why)よりも、
どうやって(How)を使いましょう。
どうやって?の方が未来思考でポジティブだからです。
「なぜ?」は、過去や原因にフォーカスしています。
「どうやって?」は、未来や対策にフォーカスしています。
しかし、なんとなく「なぜ?」が使われていることが多いです。
子どもの頃、親に怒られたことを思い出してください。
「なんでドア開けっぱなしにしてるの!?Why!?」
こんなことを言われた経験、ありませんか?
なんで?と言っているので、原因を聞いていますね。
文字通りに答えるならこうです。
「だって、閉めるのがめんどくさかったんだもん。」
すると、親はどう返してくるでしょうか。
「そうなのね、めんどくさかったならいいわ。」
・・・とはなりません。
「めんどくさかった、じゃないでしょ!閉めなさい!」とボコられます。
(少なくとも僕の家庭では。)
そして、僕らには無意識に、こんな思考が生まれます。
「なぜ?」=「責められる」「ネガティブ」
これが「なぜ」を使うことの弊害です。
この無意識は、大人になっても残ります。
例えばビジネスシーン。部下が上司から呼び出されて、こう言われます。
「この資料、なんで数字が一桁ズレてるの?」
すると部下は、過去の経験から無意識でこう返します。
「す、すみません!修正します!」
上司の意図を汲めず、建設的に会話できていません。
上司の意図は、純粋なWhy?です。桁がズレている理由を聞いています。
にもかかわらず、部下は謝罪しています。
「なぜ?」の時点で、無意識に責められ思考になっているからです。
話を本筋に戻します。
この事例で伝えたかったのは、
無意識に「なぜ?」を使わない方がいいんじゃね?ということ。
僕は、子育てにおいて原因を追究することに意味が無いと思います。
子どものミスなんて、原因はだいたい「注意不足」です。
僕の場合、子どもに「なぜ?」は使いません。
代わりに、「どうしたら?」を使います。
繰り返しです。
「なぜ?」(Why)は過去思考です。
「どうしたら?」(How)は未来思考です。
過去の原因を特定するよりも、
未来の対策を検討することのほうが、価値が高いと思っているからです。
「なんでスープこぼしちゃったん?」
⇒「どうしたらスープこぼさないようになるかな?」
「なんで玄関の靴ぐちゃぐちゃなの?」
⇒「どうしたら靴を綺麗に揃えられるかな?」
4歳の子どもに聞くと、少し間をおいて、ちゃんと考えてくれます。
「・・・今度は、お皿を持って食べてみる!」
「・・・靴の置き場は、右端って決めたらどうかな!」
子どもの純粋さって、素晴らしい。
キャリアコーチングでもよくあることです。
1週間で5社へのエントリーを目標に活動していた人が、
1週間後には3社しかエントリーできなかった。
「なんで目標達成できなかったんですか?」と聞きはしますが、
「どうしたらエントリーできますかね・・」と一緒に考えることが重要。
出来なかったこと、失敗したことの原因は、
本人が一番よくわかっています。
他人にそれを打ち明けることは、ポジティブな気持ちになれません。
未来を一緒に考える、「どうしたら」を使っていきましょう。
「あなたが」よりも「わたしが」
あなたが(You)よりも、
わたしが(I)を使いましょう。
主語を「わたし」にすると、
メッセージを受け取ってもらいやすいからです。
これは有名なテクニックで、「アイ(I)メッセージ」と呼びます。
主語が相手だと「ユー(You)メッセージ」と呼びます。
相手の感情に気を使いつつ、自分の意見を伝える手法です。
元々はアメリカの学者が子育て手法として編み出したものですが、
現代では全ての人間関係で有効だと言われています。
僕は子育てでめっちゃ使います。凄く効きます。
例えば、朝もう少し早く起きて欲しいとき。
伝え方を2パターンみてみます。
A「あなた、もっと早く起きなさい。」
B「わたしは、あなたがもっと早く起きた方がいいと思ってる。」
Aは指示や助言のニュアンスが強いです。なので、反論しやすいです。
「起きようとしてるよ!うるさいなぁ!」
Bはあくまでも、自分の意見です。なので、反論しにくいです。
「あ、そう思ってるのね・・」
もう一つ、リアルな例を。
僕が一番よく使うのは、夕食の時です。
テーブルにご飯・味噌汁・ハンバーグ・コーンサラダを並べました。
子どものご飯は、大人より早めに盛りました。熱いと食べられないから。
お箸も並べて、そろそろご飯もいい具合に冷めてきました。
リビングを見ると、子どもはタブレットでゲームをしています。
子どもを呼んで、一緒に夕飯を食べたい。
こんなとき、子どもにどう声をかけますか?
A「ご飯できたよ!ゲームやめて、早くおいで!」
B「一緒にご飯食べたいから、今来てくれると嬉しい!」
AはYouメッセージ、BはIメッセージです。
これはどっちも試しました。意図的に5回ずつは試しました。
結果、明らかにBの方がすぐ来てくれます。
子どもながらに、親の気持ちを汲んでくれる気がします。
逆にAだとご機嫌ナナメになります。
伝え方を少し工夫するだけで、感情や行動が変わるんですね。
ちなみに、Iメッセージにもデメリットはあります。
どうしたら良いか明確に伝わりづらい点です。
ビジネスシーンで明確に指示をするときは、Youメッセージが適切です。
状況に応じて使い分けは必要ですが、
こと子育てにおいてはIメッセージを使いやすいです。
ぜひ今日から試してみてください。
本当は4種類くらい紹介しようと思ってたんですが、
思いのほか長くなったので、今日はここまでにします。
ニーズがあれば、記事にしようと思います。
まとめます。
なぜ?(Why)は過去思考。原因を探ります。
どうしたら?(How)は未来志向。対策を探ります。
あなたが(You)は指示・命令ニュアンス。明確な意図が伝わります。
わたしが(I)は私見ニュアンス。感情に寄り添いながら主張できます。
細かいニュアンスの違いで、人間関係は結構変わります。
両者をうまく使い分けたいですね。
以上です。
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