本の紙面にQRコード載せるメリットは?
編集代行の仕事を続けており、おかげさまで30社ほどの出版社さんとお仕事させていただいています。
その中で、最近の担当書籍で紙面にQRコードを入れるケースが増えてきました。
従来は、チラシや名刺にQRコードを入れることが多かったですね。
会社のホームページにいくよう促し、他の書籍も知ってもらう工夫です。
また本にデータを付属する場合は従来、巻末にCD・DVDを付録していました。
ただこの場合、製造コスト、流通コスト、さらに破損時の交換といったさまざまなコストがかかります。
図書館流通センターの人からは、付録DVDは図書館で破損がよくあるので、その都度の交換手配が面倒と聞いたことがあります。
その点QRコードにその心配はありませんので、QRコードは歓迎と評価していました。
では本の紙面に入れる場合は、どのような工夫があるでしょうか。
本のQRコード掲載が始まった当初は、整体師向けの教本で、実際のマッサージ、患部ケアの仕方を動画で見られるようにしたものがありました。
徐々にQRコード掲載が普及してくると、学参ものに見られるようになったと思います。
出版社が資料データを用意しておき、QRコードでアクセスするとダウンロードできるといったものです。
最近、私が担当した生物学関係の本でも、動画を見られるようになっています。
そこでは従来とはまた、異なる工夫がありました。
本文で紹介した生き物の生態の、野生での姿や実験の様子を撮影し、動画で見られるようにしたものです。
昆虫や鳥などは特に動画が重宝されます。
さまざまな面白い生態が実際に見られるのは読者にとって大きなメリットでしょう。
もちろんカラーで見られますので、羽根をはじめ体の各部分の色彩も直接見られます。
中には昆虫の鳴き声を紹介した音声データもあります。
コオロギなどは、鳴き声によって、求愛、縄張りの主張を発しています。
このような、音声としての使いみちもあります。
さらに一工夫することも可能です。
本を購入した読者は、QRコードが入っていたら当然、動画を視聴したくなるでしょう。
そこで、その動画を見るにはメールアドレスを登録してもらうようにします。
登録したメールアドレスに、動画を視聴するためのパスワードを送信するという仕組みです。
ここでの出版社にとってのメリットは、メールアドレスの獲得です。
メルマガなどのリストにそのメアドを加えれば、新刊案内など、読者と繋がるための経路が出来上がります。
新規読者の獲得は出版社にとっての肝でしょう。
既に購入した読者は、自社書籍に確実に興味ある読者です。
一回だけの読者でなく、長い付き合いの読者になってもらうためには、、有効な方法の一つですね。
私は小さな出版社を運営していますが、この方法で1000人以上読者と繋がることができました。
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