ポリタンクのすすめ
noteをご覧いただきありがとうございます。
現在、感染予防のため普段トレーニングしているジムにいけない、ウエイトを持つことができないアスリート、トレーニーの方々がたくさんいらっしゃると思います。
もれなく自分もその1人なわけですが、そんな中でも、できるだけ特別な器具を使用せずに実施できるトレーニングを日夜考え、実践しています。
今回は、SNSで反響の多かったポリタンクを使用したトレーニングについて、S&Cコーチという職業柄、いたって真面目にまとめていきたいと思います。
そもそも、なぜポリタンクなのか
ウエイトが持てないこの期間、トレーニングは自重負荷が中心になると思います。
個人的には、自重トレーニングでもできることはたくさんある、むしろ、自重トレーニングをないがしろにする者ウエイト触るべからず。くらいの気持ちがあるのですが、とはいえ、いつまで続くかわからないこの期間に選択肢が多いにこしたことはありません。
そこで、現実的に導入できるツール、端的に言うとバーベルやダンベルのかわりになる物として、ポリタンクを使用してみることにしました。
海外のトレーニーがよく使っているイカしたウォータータンクも考えましたが、使用重量、形状、コストを加味し、外出自粛の中、Amazonで数あるポリタンクの中から選んだ相棒がこちらです。
形状が左右(ほぼ)均等、高さがなく正方形に近い形状(扱いやすさ)、アウトドア映えも意識したカラーリング(もはや夕日が後光にみえる)
ポリタンクの良さは
・持ちやすい
・1kgから20kgまで、ざっくりだが重量調整できる
・水が揺れることで変則的な負荷がかかる
などがあげられます。さらには
・値段が安く手に入れやすい
という決定打まであります。
めちゃくちゃ良く言うなら、可変ダンベルとケトルベルとアクアバッグの特性を併せ持ち、さらに1000円前後で用意することができるツール。ということになります。
さすがに言い過ぎましたが、実際に使用した感想としては “想定していた3倍使い勝手が良く、いいトレーニングできる” でした。
この時点で、すでに購入する価値があることは明白ですが、実際に使用しての具体的な意見を書いていきたいと思います。
ポリタンクの特徴
ポリタンクの大まかな特徴は、前述の通り “持ち手がある、重量調整できる、水が揺れる” といったところです。
持ち手があるため、特にローイング系の種目はダンベルと比べても遜色なくおこなうことができます。
自宅トレーニーにとって、背中の種目が増えることは非常に大きな要素ではないでしょうか。
また、レイズ系の種目も若干のやりにくさはあるものの問題なくおこなえます。
ポイントは、勢いをつけて水を暴れさせず丁寧におこなうことですが、あえて水を振り回すのもありかなとも思います。この辺りは目的や好みによりけりです。
プレス系の種目に関しては、ダンベルと重心が異なるため使いづらいのが正直なところです。
ただ、胸はプッシュアップなど自重トレーニングで刺激を入れることができるので、自重トレーニングを補うことを目的に種目を選択していくのが賢い使い方だと思います。
ショルダープレスに関しては、難易度の高いケトルベルとして実施することができます。
ある程普の重量でコントロールしながら動かすのもいいですし、高重量を逆の手で支えながらプレスするのもいいトレーニングになります。
20kgなら片手でプレスできると思っていましたが、全くできませんでした。
●ワンハンドのサポートショルダープレス
下半身の種目は、担ぐ(抱きかかえる)ことで負荷として使用することができます。
おすすめは、肩に担ぐことで体幹部への負荷をあげつつも、ランジウォークなどの重心移動が伴う種目です。
これは、アクアバッグとしての良さがいかせる種目になります。
その他にも、オーバーヘッドポジション(ショルダープレスのトップ)で支えながら下半身種目をおこなうと、要求される難易度をあげることができ面白いです。
そして、ポリタンクを使用すればデッドリフト系の種目ができるのも大きな利点です。
従来のデッドリフトには重量が足りませんが、シングルレッグなど負荷のかけ方を工夫さえすれば、しっかりハムに刺激を入れることができます。
ケトルベルスウィングと同じ要領でも使えるので、こちらもハムのトレーニングとして活躍してくれます。
●オーバーヘッドリバースランジ
もうひとつ上のポリタンクへ
ただでさえ汎用性の高いポリタンクですが、バスタオルと組み合わせることでさらに使い勝手がよくなります。
アームカールの場合、様々な握り方ができるうえに、遠心力が働くことでバーベルにはない刺激を入れることができます。
この遠心力が、負荷にもなりサポートにもなりとても新鮮です。いつもとは違ったおいこみ方ができるようになります。
●アームカール ポリタンクwithバスタオル
※カメラの焦点は手前の草
負荷をあげる仕組み
工夫次第で本当にたくさんのトレーニングができ、水の揺れや形状からダンベル20kg以上の負荷を感じるポリタンクですが、種目によっては重量が物足りないこともあります。
すべてをポリタンクで解決する必要はありませんが、そんな時は種目を重ねて疲労度をあげるのがおすすめです。
例えば、ショルダープレスで肩を疲労させ、そのまま同じ腕でアップライトローイング(片手ずつトレーニングしている想定)、ここで肩と腕が疲労し、最後にワンハンドローイングで腕と背中を。
といった具合に、疲労する筋をかぶせて数種目続けておこないます。
もちろん、同じ部位でショルダープレス、アップライトローイング、サイドレイズなどもありですが、これは連続する種目の使用重量が合うかによります。
ポリタンクのすすめ
自分でもここまでポリタンクを推せるとは思っていなかったのですが、今では自粛期間があけても職場に常備しようと思っています。
ポリタンクをうまく使うことで、自重トレーニングではアプローチしにくい要素、特に肩や背中の種目数を増やすことができます。
いつものトレーニングができないことはストレスですが、こんな時だからこそ普段取り組んでこなかったトレーニングに注力するチャンスでもあります。
この記事が、少しでもトレーニングの参考になれば幸いです。
Twitterアカウントに動画も載せていますので、よければ覗いてみてください。
アカウントID : Shinto_SC
#コラム #筋トレ #トレーニング #アスリート #フィットネス #パワーリフティング #スクワット #ベンチプレス #デッドリフト #ポリタンク