上司は部下に承認欲求を満たしてほしい?

なんで上司の俺たちばっかり部下の話をよく聴き、配慮ばっかりしなきゃいけないんだよ、部下だって上司を気遣う人間力が必要だろ、といったTwitterを見た。
人間はどんな立場でもどんな年齢でも承認欲求があるから無理もないと思う。上司の方が偉いんだからオレの話を聞いてもらって構わないだろ、と。

ただ、部下は部下であるというだけですでに上司の顔色を窺い、配慮もしてる。上司の言葉を(なるべく)聞き漏らすまいとする。だから、上司は望まなくてもすでに上司の話を聞いてもらう、ということは達成している。それ以上を求めるのは、上司が部下に不必要に甘えているのだと思う。

上司が部下に甘える、承認欲求を満たしてもらおうとすることは、下手ゴルフにつきあってもらうようなもの。上司のショットを「おみごと!」と賞賛し、上司ほどの腕を見せないように気をつけ、「上司にはかないません」とへりくだるように部下を仕向ける。

この調子が仕事でも起きると、部下は上司以下のパフォーマンスしか見せなくなる。上司の機嫌をとるために。上司の出来映えより悪くなるように手加減し始める。いわば、上司の機嫌取りのために会社の利益をドブに捨てるようなもの。上司が部下に承認欲求を満たしてもらおうというのはそういうこと。

人間だから承認欲求がもたげるのは無理もないけど、上司になったのなら、部下が成長していくのを楽しむという、別の喜びで承認欲求の代わりとしてほしい。そうすれば上司にも部下にも会社にもメリットがある。上から下に承認欲求を求める組織は、だいたいろくでもない。

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