自分を責めるのではなく、自分を面白がる

自分で一歩を踏み出さなきゃいけない、それはわかっちゃいるけどそれができない、とお悩みの方は多い。
私は思う。それはあなたがマジメ過ぎるから。自分を責め続け、攻撃し続けるから、と。

一歩を出す気力が湧かない人は、私の見るところ、マジメな人が多い。そして、自分で自分にムチ打ってる。「怠け者!動け!働け!この人間のクズめ!」と。
この様子は、「フランダースの犬」パトラッシュに似ている。パトラッシュはネロに出会う前、酷薄な主人に飼われていた。

その主人から、毎日のようにムチ打たれていた。「この役立たず!立て!歩け!荷車を引くんだ!」パトラッシュは心折れ、立ち上がる気力も失い、生きる気力も失って、まさに死なんとしていた。その主人は「もう使い物にならない」と、見捨ててしまった。

主人公のネロは必死に介抱し、パトラッシュは一命をとりとめ、徐々に体力を回復していった。ある日、パトラッシュは自ら荷車を引こうとした。ネロは「そんなことはしなくてよい」と言った。そんなことを言ってくれるネロだからこそ、何か役に立ちたいと荷車を引こうとした。

一歩を踏み出す気力も絞り出せない人は、パトラッシュの前の主人みたいな仕打ちを自分に対して行っているように思う。「怠け者!役立たず!動けというのに!」と。
それでは心折れてしまう。生きる気力も失われてしまう。ヘトヘトに疲れ切ってしまう。

ネロがパトラッシュにしたように、自分に優しくすること。動けない自分を許すこと。怠ける自分、情けない自分、マヌケな自分をも許し、むしろその人間臭さを「オモロイやっちゃな」と笑って面白がる。そうして自分を許容する。怠けたいならいくらでもどうぞ、とむしろ積極的に許す。すると。

不思議なもので、そこから徐々に気力が回復してくる。疲れが少しずつとれていき、何かしたくなってくる。動きたくなってくる。そんな自分が現れたことに驚くことになる。
気力が湧かないのは、自分を責めるから。自分にムチ打つから。自分に酷薄になるから。

自分を許すこと。自分に優しくすること。ダメな自分、情けない自分もひっくるめて「それはそれでオモロイやっちゃな」と、自分で自分を面白がり、愛でる。そこから気力は勝手に湧いてくるものだと思う。
自分で自分を責め、自分でエネルギーを枯渇させることをやめること。自分に優しく涵養すること。

それが、一歩を踏み出すエネルギーが湧いてくるコツなのだと思う。
自分を責めなさんな!自分に優しくしなはれ!あなたは十分頑張ってる!もう、自分で自分を傷つけなさんな!あなたはあなたをいたわり、大切にしなはれ!それだけの価値があることを、自分に認めてやりなはれ!

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