「あんのこと」で自殺を再考する
時間があったので、「あんのこと」の観ました。
もともと、機能不全家族について、学びたかったこともあり、観ましたが、なかなか問いかけられる内容だった。
「ネタバレ」になるが、
論点は3人の登場人物ごとに語りたい。
新聞記者
彼は「正義っぽい」ことをして後悔の念に囚われてしまった。これはよくあることだと思う。
正義とは何か?トリックスターは悪なのか?善なのか?
平和を壊したのは、悪ではなく、「正義」ではないだろうか?そんな問いかけてでもあった
刑事
彼こそ、トリックスターであり、「誠の正義」を貫いたのではないだろうか?
これは主観にはなるが、彼は「飾らぬ人間」だった。それをしっかり自己認識していた。
「刑事」という言葉に縛られず、「救い出す」を求め続けた。
そして、なにより「救うものも人間である」をとても巧妙に表現していた。
「これこそが本当の【社会】と【ひと】の関係性」を見事に描いた作品である。
あんちゃん
僕の感想は「時代の被害者」である。
そして、最後の結末は私たちへの問いかけであり、もっともこの作品で考えなければいけないことだと思う。
「善」となにか?
必死に過去の「コンプレックス」を解消しようとした1人の少女の残酷かつ、リアルなストーリーだ。
人が人である以上、感情的動物である以上、繰り返されるであろう一つのストーリーである。
ただ、僕はこの問いかけに逃げずに答えたい。
「救える命はきっとある」
つながりと対話から逃げない。
そして、現実を見る。
心理学ではない、世界がここには描かれている。
こんなにも濃密な「こころ」の作品に触れられたことに感謝をしつつ、終わりにしたいと思う。