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短歌4: Cannot / Again / Shampoo

「あの人もできたんだから」と言われても僕にもできる理由にならない / 篠山椎


 短歌は何かを批判するのに適したフォーマットだと思っている。この短歌も批判の短歌だ。
 仮に勇気づけるために言われた言葉だとしても論理に間違いが含まれていると、受け取りづらいことがある。
「あの人もできたんだから(あなたにもできるはず)」という言葉は論理があまり成り立っていない。あの人とそもそも自分は異なる(能力を持った)人間なのだから。
 言われると違和感を覚える人が多い言葉なのではないだろうか。


無意識に「惚れ直すかも」と言ったが一度は惚れたことがあるのか / 篠山椎


 好きという事を明確に言われる前に「もしそうなったら、惚れ直しちゃうかも」と言われたことがある。
「ということは?」と勘繰って考えてしまう。明確に気持ちを言われたことがなかったとしても。
そういう勘繰りが恋にはつきものだと思う。


慎重に君が選んだシャンプーがガサツに剥いだ服から香る / 篠山椎


 男は女性の服を少々乱暴に扱うことがあるように思う。もちろん性行為に及ぶ前に冷静でいられる人は多くないんじゃないだろうか。
脱がせた服から香るシャンプーに"肌や髪に合うように、選んだシャンプーなのかな"と少しは思いを巡らせてみる。
そのくらいの余裕は欲しいものである。


篠山椎
シイ。

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