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<東京・ソウル>夏こそ食べたい韓国フード、コングクスを求めて

パッピンス
 ここ数年、夏が近づくと特集されるかき氷。夏のひんやりスイーツの代名詞ですね。韓国では、かき氷をピンス(빙수)と言います。これにパッ(팥)(=小豆)を加えるとパッビンス、あずき氷を指します。定番レトロなパッビンスではありますが、この前コリアンタウン新大久保を歩いていたら、めっちゃ可愛いパッピンスを見つけました。この夏一番フォトジェニックなかき氷じゃないですか?

シロクマがのったパッビンス

コングクスと蓮花茶、夏の思い出
 夏になるたび、コングクスを探してしまいます。
 ひととき、月に一回通っていた韓国茶のおけいこは、地下鉄の階段を出て大通りをしばらく歩いて、大きな交差点を右折すれば、そこからは長い坂の一本道。坂を上がり切った先生のお宅に着く頃には暑い夏ともなれば額から汗が流れるほど、しんどい道のりでした。「外暑かったでしょう」と出される小さな花を閉じ込めた氷が浮かぶ冷たい韓国茶はまさにウエルカムティー。稽古よりもお茶とお菓子が楽しみで通っていたと言っても過言ではありません。

 そして、お稽古後に先生が気まぐれで出してくれたお手製韓国ごはん。なかでも好きだったのがコングクス。初めて食べた時には世の中にこんなに美味しいメンがあったのかと感動ひとしきり。夏が来ると先生に今年はいつ作ってくれるのか催促してしまうほどでした。先生も催促されたからといってやすやすと作ってくれません。コングクスのスープ作りには時間がかかるのです。大豆をきれいに洗い、8時間ほどもどします。鍋にもどした大豆と水を入れて煮ます。大豆がゆで上がったらザルにあげ、水でゆすぎながら皮をむきます。皮をむいた大豆と水をミキサーにかけ、こして豆乳を作り、塩で味付けするのです。前日から用意しておかないと間に合わないし、その日のうちに使いきらないとダメになってしまうのです。その季節に練習した蓮花茶とともに、夏に思い出す韓国茶生活の風景です。

コングクス
蓮花茶
茶食(タシク)

カフェ街仁寺洞(インサドン)
 手間のかかるコングクスは本場韓国の食堂でもコスパが悪いせいか夏に行ったからと言って簡単に食べることはかないません。一ヶ所、夏に行くたびに通ったのは鐘路製麺所。さすが、製麺所というだけあって、麺料理ならばたいがいのものがメニューにありました。

鐘路3街製麺所のコングクス

 地理的に仁寺洞が近いので、徒歩数分で食後のティータイムができます。テチュ茶(ナツメ茶)、センガン茶(生姜茶)、メシル茶(梅実茶)、スジョンガ(水正果)、ポップンジャ茶(トックリイチゴ)あたりはアイスも美味しいです。スヂョンガは、生姜、ナツメ、桂皮を煮たものに、干柿や松の実を浮かべた伝統茶です。癖になる味をぜひお試しを。小さな花を閉じ込めた氷を浮かべた茶もあれば、手軽なビンでも売っています。

 鍾路区にある曹渓寺の七夕風景もコングクスの思い出とともに。

小さな花を閉じ込めた氷が浮かぶスヂョンガ
メシル茶
ポップンジャ茶
テイクアウト用オミジャ茶&メシル茶
曹渓寺の七夕節

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