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京都 京番茶

茶葉を炒ることでついた燻香がこうばしい京番茶。
整枝で出た葉枝を使って作られます。
 「栂尾の 尾の上の茶の木 分け植えて 跡ぞ生うべし 駒の足影」。
宇治の人々が初めて茶種をまこうとして方法が分からず困っているところに、馬にまたがって馬の足跡がついたところに種をまくようにと、明恵上人が教えた様子を詠んだ歌です。栂ノ尾からはじまった京都のお茶の栽培は、こうして宇治へと伝わり、室町時代になると栂ノ尾にとって代わり宇治が本茶(生産の中核地)となりました。江戸時代、幕府に納められる宇治茶は、毎年幕臣が使者となって宇治から江戸城へ運びました。これが御茶壺道中と呼ばれたのです。
 春と秋に、整枝を行ないます。京番茶はこの時に生じる枝葉を使います。蒸してから乾燥させ、蔵の中で熟成を待ちます。袋詰めをする前に大きな釜で葉と茎を別々に炒り上げたら、葉と茎を好みで配合します。独特な燻香に奥深い滋味が楽しめます。

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