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Darjeeling Tea Lovers Only(B01)

(B01)茶園(ティーエステイト)

 1852年、大英帝国東インド会社は茶生産における中国の独占を打破するため、流暢な中国語を話したスコットランドの植物学者であり冒険家ロバートフォーチュンを中国に派遣して、20,000本の茶の苗木を取得させました。
それによって、その後10年間で多くのティーガーデンがダージリンに誕生しました。

 1896年には、巨大なオペレーションを持つDarjeeling Consolidated Tea Companyが設立します。

 プランター(茶園経営者)はインドが独立する以前は皆英国人でした。本国を離れ、同国人のいる都会から遠くヒマラヤの山の中で、異国の人々に囲まれて茶園の発展に尽くす彼らは、1868年にダージリン・プランターズ・クラブを設立しています。ビリヤード室にある25人が写っているメンバーの記念写真は1928年に撮ったもの、現在クラブの玄関に掲げられた地域の茶園の一覧表には茶園の数はダージリンが93、テライが45となっています(茶園数は1993年に製作された冊子によります。現在は一般的にダージリンの茶園は80以上とされています)。
 
ダージリン茶園の製茶工場で行われるお茶作りの工程
摘採(Plucking)
 摘むのに適した茶葉は、新芽に連なる3~4枚がまだ開いていない状態で、この芽とすれに連なる2枚の葉を付け根で摘み取るのが一芯二葉摘みで、よい茶を作るのに理想的な摘み方とされています。
理想を一芯二葉、通常は一芯三葉くらいを摘むと、一人一日の摘採量は季節によって異なりまが、だいたい10~30㎏になります。
萎凋(Withering)
 オーソドックスでもCTCでも、茶葉はまず萎凋しなければなりません。
このプロセスで、物理的および化学変化が葉の中で起こりるのです。
 萎凋によって、まず茶葉が柔順になるよう葉の中の水分を減らすのですが、萎凋は、長い長方形の槽に広げることにより行われ、天候、積んだ葉の厚みと大気の温湿度によって、12~20時間で行います。
 ほとんどの工場では、萎凋槽を上階に置き、時には窓を開けたり、送風機を通して空中移動を補足提供することもあります。葉内水分を蒸発させるために、外気の循環、温度によってコントロールすることが必要な時もあるのです。
 25%~45%の水分を、この段階で葉から蒸発させます。茶葉を握りしめると、弾力がなくなっており、手をひろげても葉のかたまりがほどけず、葉の手のあとが残る程度が良いとされています。
 必要な化学変化を引き起こすのに役立ち、お茶の最終的品質を決定づけるのに非常に重要な工程である萎凋は、知的な考察が必要なのです。
揉捻(Rolling)
 茶葉は揉捻されることによって、葉細胞が破裂してカテキンと酵素を含む液体が放出します。なぜ揉捻が必要なのかというと、お茶の成分は茶葉の細胞組織内にあり、葉のままではお湯を注いでも出てこないのです。
 揉捻によって茶葉の整形も行われます。
 揉捻の途中で玉解きをして揉捻を繰り返します。
 このプロセスで、フレーバーが作りだされます。揉捻の力加減を調整することによって、フレーバーの異なるお茶が製造されます。
発酵(Fermentation)
 発酵 (すなわち酸化)が進行中すると、酸化酵素の働きで茶葉が緑色から赤褐色に変わり、芳香を放ちます。
 揉捻された茶葉は、湿度の高い20~25℃の大気の中で1〜3時間、フロアあるいは長いテーブルに広げられます。広げる葉の厚みの判断は実践的知識の問題です。温度が低い場合、加湿機が使用されます。発酵を止めるべき時を知ることは重要です。
 爽やかな香気が重視されるファーストフラッシュでは短めに、水色を深くしたい時には充分な時間がかけられるのです。発酵の時間の長さは色に影響するのです。
乾燥(Drying、Firing)
 乾燥機は、85~130℃の熱風を吹きます。
 酸化を止めるために加熱することによって酸化を止めるのですが、このプロセスは20〜25分かかります。
 最終的に、乾燥が収量した茶葉の含水率はわずか3%です。
篩分&等級づけ(Sorting & Grading)
 乾燥茶葉は、サイズで分類しなければなりません。
 茶葉のサイズの混合が茶の抽出液に正しい質を得ることができないのです。
 複数のソーター(Sorter)にかけて不純物を取り除いたり、等級分けを行います。
 グレード(等級)とは品質ではなく、葉のサイズを示しているのです。
梱包(Packing)
 最終工程は茶に湿気が侵入しないようパックキングすることです。
 完成品は速やかにパッキングして密封します。
 かつて茶葉は多くが木箱に詰められていましたが、最近は強い紙袋に詰められます。高密度ポリプロピレン(HDPP)の麻袋や布袋は、主にインドの国内市場の再販売に使用され、輸出用茶葉は、鮮度と品質を無期限に保持するように真空パックされます。

上の記事は「Darjeeling Tea Lovers Only」中の記事です。
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ダージリンティーを愛する人へ捧げる一冊です^^

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