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【ぶらり散歩】恵比寿ガーデンプレイスはオジサン独りで行くもんじゃない
日本の気候は二重人格だ。熱と日差しで人間を焦がすかと思えば、これでもかとドカ雪と低温攻めで我らを弄ぶ...
東京もしっかり寒い。とくに頬を刺す乾ききった北風がチクチクと痛い。
そんな中でも散歩はやめられない。出勤した日はなるたけ早く仕事を切り上げて自由気ままにふらつく。それが心の洗濯なのだ。
散歩の行き先は、事前に調べてラインナップしておくこともあるが、あまりイベントなどがない時期だとこれといった候補が見つからないことが多い。
そんな時は、何となくいつもの通り道から外れた「どこか」とか、キラキラしたもんが観たいとか、まさに気の向くまま、足の向くまま気まぐれに体を運んでいく。
今夜はいつもより少し足を伸ばしてみよう、と会社を出て最寄駅に着いた頃、「恵比寿」という文字が頭に降ってきた。
思い返せば、部下がクリスマスに恵比寿ガーデンプレイスに行ったらイルミネーションがすごかったからオススメです!と教えてくれたので、頭の片隅に引っかかっていたようだ。
もはやクリスマスは遠い昔。それでもイルミネーションはやっていたりするのかな?
電車に揺られながら調べてみると、さすがにクリスマスツリーなんかはもうないものの、それなりにイルミネーションはあるらしいとわかった。
恵比寿ガーデンプレイス
いやはや、恵比寿など何年ぶり...いや下手したら10年以上来ていない。
でもあまり変わってはいないようだ。JRの東口改札から長々と続く動く歩道をエビスビールの広告に囲まれながら数本乗り継いでいく。
多くの人は逆向きに流れていく。恵比寿で働く人たちの帰りのラッシュだ。
いい加減トロトロと自動的に流れる景色に飽きてきたところで、ようやく出口に到達。
目の前には煌びやかな洋館風の建物が現れ気分が上がる。
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駅前の信号を渡ればガーデンプレイス。
広場に足を踏み入れると、そこかしこに施された洒落たイルミネーションが視界に飛び込んでくる。さながら何かのテーマパークに迷い込んだようだ。
一帯には大人っぽい?音楽が流れていて、ベンチにはコーヒー片手に談笑するカップル。外国人観光客の姿もちらほら。あとは寒風に耐えコートの襟に首を埋めて足早に駅へと向かうサラリーマン。そして、信じられないほど短いスカートから白い生足をニョロっと生やした元気な女子高生。
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広場のセンターには大きなアーケードがあり、その下に広い通路。両脇を眩いイルミネーションの並木が固める。並木道の先にはまた広場があり、その向こうに宮殿のような建物が見えている。
この宮殿、かの有名なフレンチの巨星ジョエル・ロブションのレストランである。史上最短でミシュラン三ツ星を獲得、東京・香港・マカオで三ツ星レストランを掛け持ちしてトータル32という世界最多の星数を誇るフランス国家最優秀職人。
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そんな最高峰のフレンチレストランだから、ミネラルウォーターだって850円もしちゃうんだぜ。意味不明でしょ?笑
庶民は、外観を舐めるように眺めて、へえ、ベルバラみたいだねえ...とため息をつくだけで十分なのだ。なあに、どうせ食べたって違いなどわからんさ。
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ところで、恵比寿で作られたからエビスビールなのか、エビスビールがあるから恵比寿という名の街になったのか。
後に実際には後者だということを知った。今はサッポロビールの参加ブランドだが、昔エビスビールの工場があって、しばらくして移転したらしいが、2024年4月、再びこのガーデンプレイス内にYEBISU BREWERY TOKYOとして舞い戻ってきたらしい。
飲み物の名前のついた街って意外とないんじゃないかと思うと、なかなか個性的な歴史に面白みを感じる。
ひと通り、あちこちから凍える右手で動画を撮影したら小腹が空いてきたので帰ることに。
再び駅側の広場に戻ると、ジャズの生演奏と美麗なる歌声が耳にそよいできた。
ブルーノート・プレイスという名の煉瓦造りの建物の窓の向こうには、目にも鮮やかなサックスブルーのドレスを纏った推定美人歌手が、ギタリストの前で緩やかに腰をくねらせている。
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ふむ。独りで来るところじゃぁなかったな苦笑
ここに一緒に来るとしたら誰だろう?と10秒間脳内検索したところ、No resultsと表示されたので、不貞腐れてその場を離れたのであった。
さて、今回の恵比寿ぶらり散歩はいかがでしたでしょうか?ステキな女性を口説くには悪くない雰囲気ですね(棒読み)。雰囲気を楽しんでいただけたら是非スキをお願いします。そしてまた次回、別の場所でお会いしましょう!見逃さないようにフォローしておいてくださいね。