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スキンシップと心の通いあい

思春期の子どもとの距離感を考える 

子どもが幼いころ、抱っこや手をつなぐスキンシップは、日常の当たり前でしたよね。温かいぬくもりを感じながら、お互いの愛情を確認していたように思います。

しかし、子どもが成長し、思春期を迎えると、そういったスキンシップの機会は少なくなりがちです。下手に身体に触れようとすると、まるで噛みつかんばかりの勢いで拒否されることも…。

私の子どもたちもそうでした。ですが、不安や悩みを抱えているときには、ふと私のそばに寄ってきて、身体を引っ付けてくることがありました。

そういうときは、あえて知らん顔をして、子どもが話し始めるのを静かに待つようにしていました。

親の焦りが招くすれ違い

せっかく子どもが話をしてくれたのに、私自身の心が落ち着いていないと、つい余計な一言を言ってしまうことがありました。例えば、子どもはただ話を聞いてほしいだけなのに、「アドバイスを求められている」と勘違いしてしまい、「こうしたらよかったんじゃない?」「これが原因なんじゃないの?」とアドバイスをしてしまいました。

そんなときは、子どもから「もう全然わかってない!」と怒られ、自分の部屋に引きこもってしまうことも。親として、子どもの力になりたい気持ちが強すぎて、結果的に子どもの心を閉ざしてしまうことがありました。


失敗談こそが子どもに響く話

親としては、人生の先輩として自分の成功体験を伝えたいと思ってしまいます。私もそうでした。成功例を話して「こうすればうまくいく」と教えようとするばかりで、失敗談を語ることが少なかったように思います。

今振り返ると、子どもにはむしろ失敗談のほうが響いていたように思います。親も失敗するし、その失敗からどう立ち直ったのかを知ることが、子どもにとっての学びや安心感につながるのでしょう。心の距離が縮まった感じがしたという感想を参加者の方からいただいたこともあります。


スキンシップが苦手な親御さんへ

Omimiかふぇに参加されたあるお母さんが、こんな話をしてくださいました。
「子どもが抱きついてくるのですが、それが苦手で押し返してしまいます。本当はしてはいけないとわかっているのですが、どうしても無理で…」

このような場合、お母さん自身が過去のトラウマを抱えていることもあります。無理をしてしまうと、親自身が辛くなってしまうため、無理のない範囲でできる方法を探すことが大切です。


程よい距離感のスキンシップ

スキンシップは、必ずしもハグや身体に触れることだけではありません。たとえば、アロマオイルを使ったハンドマッサージを提案したことがありました。

お気に入りの香りを選ぶことから始め、子どもの手を優しくマッサージすることで、自然と心がリラックスします。香りの力でお互いの緊張がほぐれ、素直な気持ちで会話ができるようになったという人もいました。

最近では、ラベンダーやオレンジスイートなどリラックス効果のあるアロマオイルが簡単に手に入ります。一緒に好きな香りを選ぶのも楽しみのひとつです。

家族で心の通い合う時間を

ハンドマッサージのような特別な準備がなくても、日常の中で簡単にできるスキンシップがあります。たとえば、背中を優しくさする、肩をぽんぽんと叩くなど、さりげない触れ合いが効果的です。

特に背中をさする行為には、不安を和らげたり安心感を与えたりする効果があります。疲れているときや元気がないとき、「大丈夫だよ」と声をかけながら、背中をさすってあげるだけで、心がホッとするものです。

また、寝る前に子どもの頭を優しく撫でてあげるのもおすすめです。このようなさりげないスキンシップは、言葉にしづらい感謝や愛情を伝える大切な手段です。

日常の中でちょっとしたスキンシップを意識するだけで、子どもだけでなく、親自身もリラックスしたり、温かい気持ちになれるでしょう。

ぜひ、こうしたシンプルなスキンシップを取り入れて、家族で心を通わせる時間を大切にしてみてください。

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