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自分に「えらい、えらい」

「自分のことが好きじゃない」という悩み

あるお母さんが、「自分のことが好きじゃないんです」と話してくれました。深く話を伺うと、彼女は若いころからずっと自分を認めることができず、心のどこかで「自分はできない人間だ」と感じているとのことでした。頭では理解しているのに、劣等感や自己否定感に押しつぶされそうになり、いつも情けなさを感じてしまうそうです。

Omimiかふぇに来てくださっても、私が提案することに対して「でも…」と否定から入ることが多く、なかなか「自分にはできる」という自信が持てない様子でした。それは、過去の失敗や挫折感から心を守ろうとし、また新しい挑戦を避けているようにも見えました。最初から「どうせ無理だ」と思っておけば、万が一うまくいかなくても「やっぱりそうだった」と自分を守れるという心の中の拠り所を残しておきたいようにも見えました。

「できない自分が嫌い」と感じる一方で、失敗が怖くて新しいことに挑戦できない。そのためさらに自分が嫌いになる…と、このお母さんは自己否定のループに陥っているようです。


自己否定の負のループを断ち切るために

私は彼女に、「まず自分を好きになることを練習してみましょう」とお話ししました。一日の最後に、他人がどう思おうと関係なく「自分が今日、頑張ったこと」を書き出し、それを認めてあげることから始めてみてほしいと提案したのです。頭の中だけで考えていると、どうしても自分の「ダメな部分」に意識が向きがちですが、実際に紙に書き出すと、冷静に自分の良い面にも目を向けられるようになります。

そして、小さなご褒美も自分にあげてみてください。例えば、チョコレート1個でも良いのです。「今日も頑張った自分」を認め、ほんの少しでも自分を褒めることができたら、それが自分を大切にする一歩になるのです。


「えらい、えらいのワーク」で褒める力を育む

私の講演会の最後には、必ず「えらい、えらいのワーク」というものを行います。このワークでは、参加者の皆さんが自分の頑張ったことをグループで発表し合い、互いに褒め合います。最初は照れながらも、少しずつ笑顔がこぼれていく様子を見ていると、私もとても幸せな気持ちになります。

大人になると、褒められる機会が少なくなりますよね。ワークを通じて「人から褒められる」経験をした後、私は皆さんにこう問いかけます。「大人でもこれだけ嬉しいのだから、子どもならもっと嬉しいでしょう。皆さんは普段、子どもを褒めていますか?」と。そして「できないことばかりに焦点を当てるのではなく、できていることを見つけ、認めてあげてください」とお伝えしています。


自分を認めることから親子の関係も変わる

普段の自分の行動は、他の人にとっては「当たり前」ではなく、特別で素晴らしいことがよくあります。自分を認め、褒めることを少しずつ意識して、練習することで、周囲の人々や子どもにも、以前と違った目線で接することができるのではないでしょうか?

お子さんとの関係も、まずはそこから始めてほしいと思います。小さな「自分を認める」からスタートし、その温かい気持ちをお子さんにも向けていくことで、新しい親子のかたちが育っていくように思います。


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