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新入学時説明会で「子どもとの対話の大切さ」について講演してきました
先日、私の住むまちの小中学校で、新入学時の保護者向け説明会があり、そこで子育て講演をさせていただきました。
この保護者向け講演は、もう20年ほど前から続いているものです。きっかけは、えがおの会の副代表を務める田崎さんが家庭教育学級の担当だった頃。「子どもと向き合うことの大切さを、もっと多くの親御さんに伝えたい!」という想いから、各学校の校長先生にお願いし、入学説明会に組み込んでもらったのが始まりでした。
実は当時、私も社会教育課の職員として、この取り組みに関わっていました。一緒に各学校を回ったことを、今でも懐かしく思い出します。まさか自分が講師として話をする立場になるとは、あの頃は想像もしていませんでしたが…。
「聴いてほしい親御さんに、どうやって届けるか?」
春日市の家庭教育学級は集中方式で、各小中学校の保護者を対象に市が企画運営をしています。平日の午前中のこの講座はお仕事を持っている保護者にはハードルが高く、聴いてほしい保護者の方には届かないことがありました。
そこで、「入学説明会なら、必ず保護者は参加するはず」と考え、説明会と講演をセットにする形が生まれました。しかし、最初の頃は学校ごとに温度差があり、協力を得れないこともあり、説明会が終わるとそのまま帰ってしまう保護者が多い学校もありました。せっかく良い講師の先生をお招きしても、聴いてもらえないのはもったいなく、残念に思ったことをよく覚えています。
それでも地道に続けた結果、少しずつ「子育て講演も説明会の一部」として定着し、多くの保護者に聴いてもらえるようになってきました。
「新一年生のために、学校ができること」
今回訪れた学校では、入学説明会の間、新一年生となる子どもたちが、現一年生が企画した「お店屋さんごっこ」に、5年生のお兄さん・お姉さんと一緒に参加していました。さらに学校探検も実施され、子どもたちは楽しそうに校内を回っていました。
このように、学校側も「新一年生が安心して4月を迎えられるように」と、様々な工夫をしていることが伝わってきました。学校探検やお店屋さんごっこは、ただの遊びではなく、「学校は楽しい場所だよ」と子どもたちに感じてもらう大切な機会です。
学校がこのように子どもに寄り添い、不安を和らげる取り組みをしているのを見ると、不登校の児童・生徒が増えないようにと願う教育現場の想いが伝わってきて、心強く感じました。
「子どもとの対話の大切さ」についてお話ししました
保護者の皆さんが説明会を受けている間、私の講演では「子どもとの対話の大切さ」についてお話ししました。
これまで多くの不登校の親御さんの相談を受けてきた私が、何よりも大切にしてほしいと思うこと——それは 「子どもの話を否定せず、まずは受け止めること」 です。
話すことで子ども自身も気持ちを整理できることがありますし、親が話を聴いてくれることで、「自分の気持ちは大切にされている」と安心するのです。
たとえ子どもの話が大人から見れば「大したことない」ように思えても、子どもにとっては 「たった一つの世界」 の出来事。
子どもの言葉を大切にすることが、信頼関係を築く第一歩になります。
「家庭・学校・地域ができること」
45分という短い時間でしたが、できるだけわかりやすくお伝えしたつもりです。
子どもたちの明るい未来のために大切なのは、「学校ができること」「地域ができること」「家庭ができること」を、それぞれの立場で考え、実践していくことだと思います。
学校は、安心して過ごせる場所をつくる。
地域は、子どもたちを見守り、支える。
家庭は、子どもの話を否定せず、まずは受け止め、心落ち着ける場所であり続ける。
それぞれの役割が噛み合うことで、子どもたちはのびのびと育ち、生きやすい社会になっていくのではないでしょうか。
これからも、私にできることを精一杯続けていきたいと思います。