必要な人に届けたい―Omimiかふぇの今までとこれから
えがおの会の「Omimiかふぇ」が始まった当初、私たちは地域の小中学校にチラシを配布しながら活動を広めようと努力していました。しかし、そのチラシが本当に届いてほしい相手に届いているのか、大きな疑問がありました。なぜなら、不登校のお子さんを持つ保護者の多くは学校との接点を持ちにくい状況にいるからです。
その中で、担任の先生や保健室の先生が直接渡してくださるケースもありましたが、当時はまだ「不登校の保護者支援」という活動への理解や認知度は低く、校長先生への説明でも「良い活動ですね」という反応があっても、深い関心を持っていただけることは少なかったように思います。
どうすれば必要な人に届くのか――私たちの挑戦
「この活動をどうすれば必要な人に届けられるだろうか」
それが私たちの一番の悩みであり、目標でした。その一環として、年に一度、大きなマルシェのようなイベントを開催し、活動の紹介をする機会を設けたこともありました。
最近では、インターネットの普及によって、ネット検索で私たちを見つけてくださる方が増えています。お子さんが不登校になった保護者の方が、藁をもつかむ思いで情報を探す中で、「自分の考えはこれで正しいのだろうか」と悩み、話を聴いてもらえる場所を求めてOmimiかふぇにたどり着いてくださることが多いのです。
参加者の声から見える安心感
ある参加者の方が、こんな感想を話してくださいました。
「Omimiかふぇに向かうときは沈んだ気持ちで足取りも重かったのですが、帰りは驚くほど気持ちが軽くなっていました。本やネットでたくさん情報を集めても、やっぱり直接対面で話を聴いてもらうことで感じる安心感は全然違いますね。」
このような感想を寄せてくださる方が多いです。それは、そこにいる誰もが話をする人を責めない、共感して寄り添う空間だと思っています。スタッフだけではなく、先に参加している保護者の皆さんもこのことは自然と心に留めていて、初めて参加される人は「一人じゃない」という安心感に包まれ、心が軽くなるように思います。
親が「安心感」を持つことの大切さ
この「安心感」は、実はお子さんにとってもとても大切なものです。親が不安や焦りを抱えていると、その気持ちは知らず知らずのうちに子どもに伝わってしまいます。だからこそ、まずは親御さん自身が不安を抱え込まず、安心できる場所を見つけることが大切です。
Omimiかふぇでは、保護者の方が「自分の気持ち」を話せる場所を提供しています。不安や悩みをお子さんにぶつけるのではなく、まずはカフェに持ち寄り、他の保護者やスタッフと共有してください。誰かに話を聴いてもらうことで、不安が和らぎ、心が少しずつ軽くなります。
オンラインでの寄り添いも大切に
また、えがおの会では、公式LINEを通じたチャットでの相談も受け付けています。居場所やイベントに直接参加できなくても、インターネットを活用していつでも気軽に繋がれる仕組みを作っています。
これからも「寄り添う」を考え続けて
私たちは、どのような形であっても、「必要な人に寄り添う」ことを忘れずに進んでいきたいと思っています。子どもと保護者が安心して向き合える環境を作るために、これからも活動を続けていきます。