「どっちでもいい」の裏に隠れた本音とは?選ぶ力を育む親の接し方
「どっちでも」「なんでもいい」の裏側にある子どもの本音
「お子さんが『どっちでも』『なんでもいい』と返事をするので、『はっきり決めてくれればいいのに』と嘆いてしまう」。
こんな話を、親御さんからよく耳にします。
実際に、こういった返事をするお子さんは多いのではないでしょうか。
それに加えて、私たち大人もふと振り返ると、同じように「どっちでもいい」と答えている場面が思い浮かびませんか?
たとえば、家族で何かを選ぶときや、ちょっとした意見を求められるとき。
「どっちでもいい」と言ってしまうのは、本当にどちらでも構わないと思っている場合もあれば、場の空気を読んでそのように答えていることもありますよね。
子どもが「どっちでも」と答える場合も、同じような心理が働いていることがあるのかもしれません。
ただ一方で、「本当に選択肢をきちんと理解しているのかな?」と疑問を持つことも、親としては大事です。
食事の場面で見る、子どもの選択の難しさ
たとえば、外食のとき。
「何がいい?」と子どもにメニューを見せながら、注文を急かしてしまうことはありませんか?メニューがずらっと並ぶ中で、「何を選べば正解なのか?」と迷う子どもは少なくありません。
あれこれ悩む様子に、親としてはついイライラしてしまうこともありますよね。
私自身も、かつては子どもたちに「早く決めて!」と急かしていた一人です。
しかも、ようやく子どもが選んだメニューに対して、つい否定的な反応をしてしまったことも…。
「えっ、それ?」とか「そんなの多すぎて食べきれないよ」と言ってしまう。
そういった自分の言葉が、子どもの気持ちをどう感じさせていたのか、今では反省することばかりです。
親子の会話のチャンスを大切にする
もし、その場面で子どもの選択を素直に受け止めていたらどうだったでしょうか。
たとえば、子どもが「これが食べたい」と言ったときに、「えっ、それ?」ではなく、「へえ~、なんでそれが食べたいのかな?」と理由を聞いてあげる。
そうすれば、その子なりの考えや気持ちを聞き出すことができたかもしれません。
実は、食事のメニューひとつ取っても、親子のコミュニケーションの大切なきっかけになるのです。
「どっちでも」「なんでもいい」という答えの裏に隠れた本音に気づくことができれば、親子の会話はもっと深まるでしょう。
忙しい毎日だからこそ、親子の時間を大切に
私たち大人は、忙しい日々の中で「早く食事を済ませて、次の予定を片付けたい」と思いがちです。
けれど、子どもと一緒に過ごせる時間は、期間限定。とても限られているのです。
現在子育て中の親御さんにとっては、その実感が湧きにくいかもしれません。
しかし、子育ての時期を通り越した身から振り返ると、あの時間は本当に貴重で、もう戻ってこないものだと痛感します。
だからこそ、Omimiかふぇにいらっしゃる親御さんには、こうお伝えしています。
「この悩ましい時間は、決してずっと続くわけではありません。ほんの一瞬のことなのです」と。
子どもの本音を感じ取る時間を
親が子どもにどう接するか、その姿は子どもにしっかりと伝わっています。
「どっちでも」「なんでもいい」という言葉は、一見優柔不断に思えるかもしれません。
でも、その裏には、「親に合わせているだけ」という遠慮や、「自分の気持ちをどう伝えたらいいかわからない」「ダメと言われたら・・」という不安が隠れていることもあります。子どもが大人に合わせているだけなのかもしれません。
忙しい日々の中でも、そんな子どもの気持ちを見つめる時間を作ってみませんか?
その時間が、きっと親子にとってかけがえのない思い出となるはずです。