眠り
「昼夜逆転」に対する親の不安
不登校の相談の中で、特に多く耳にするのが「昼夜逆転していることへの不安」です。Omimiかふぇでも、この話題が頻繁に取り上げられます。親としては、昼夜が逆転している子どもの姿を見ると、「このままで大丈夫だろうか?」と不安でたまらなくなるものですよね。かつて私の娘も昼夜逆転の生活を送っており、その時のことをよく思い出します。
「良かれと思った行動」が引き起こすストレス
本で読んだ「朝日を浴びると体内時計が整う」という情報を得て、朝、寝ている娘の部屋に入って窓を開け、空気を入れ替えてみたことがありました。しかし、娘は嫌な顔をして布団に潜り込み、私の言葉は何一つ届きませんでした。今思えば、私の「良かれと思った行動」が、むしろ彼女のストレスを増やしていたに違いありません。親としては「昼夜逆転を直さなきゃ」と焦点を当てがちですが、それが逆効果になることも少なくありません。
まずは「寝ていること」を安心材料に
昼夜逆転をしている状況は確かに心配ですが、それ以上に大切なのは「ちゃんと寝ているか」「食事はとれているか」です。例えば、植物も成長するためには日光だけでなく、土壌の状態や水分が重要なように、子どもが生活リズムを整えるためには、まず基本的な安心感が必要です。「昼夜逆転=悪いこと」と決めつけるのではなく、夜に起きて活動する背景にどんな理由があるのかを考える視点を持つことが大切です。
子どもの「夜の安心時間」を理解する
例えば、夜中に活動する子どもの中には、親が起きている昼間に「学校のこと」などを言われるのを避けるために部屋にこもり、夜になると自分だけの静かな時間を楽しんでいることがあります。そうすることで、ストレスを発散させたり、ストレスにならない生活を選んでいるようにも思えます。
親が変わることで、変わる子どもの安心感
あるお母さんから、「昼夜逆転の生活をしていたけれど、少しずつ起きる時間がずれてきて、いつの間にか朝起きるようになった」というエピソードを伺いました。「ちゃんと寝ているなら、それも良いかも」と笑顔で話してくださったのが印象的でした。
以前なら「いつまで寝ているの!」と嫌味を言ってしまっていた親御さんが、今では「よく眠れた?」と声をかけるようになったというお話もあります。このちょっとした変化が、子どもに安心感を与えます。子ども自身も「今何時?寝すぎたかな?」と笑顔で返してくれる、そんな何気ない会話が親子の心の距離を縮めていくのだと思います。
「さなぎの時代」を見守るということ
私の娘も「さなぎの時代」と言える時期がありました。バイトの休み前夜には昼夜逆転の生活を送り、夜中に好きなYouTube動画を見たり、友達と電話をしたりして楽しんでいました。でも、バイトの日や自分の用事がある時にはきちんと自分で起きられるのです。その姿を見て、「自分で調整できているなら、それで良いかもしれない」と思えるようになると、自然と親子の会話も増えていきました。
昼夜逆転に潜む可能性を見逃さない
ただし、昼夜逆転には「起立性調節障害」などの病的な要因が含まれている場合もあります。これは、ちょうど体内の歯車が狂ってしまうような状態で、専門家のアドバイスや治療が必要になることもあります。子どもの様子をよく観察し、単なる生活リズムの乱れなのか、何か他に原因があるのかを慎重に見極めてあげてください