![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/165293592/rectangle_large_type_2_cbcd0e1da136bd67e3d948e82c593d55.png?width=1200)
「夢はなんですか?」って聞かれても
「あなたの夢はなんですか?」
こんな質問を受けて困った経験がある人も少なくないでしょう。これは大人だけでなく、子どもにとっても答えづらい質問です。特に、子どもに「夢」を持つことを強制することには、慎重でありたいと感じます。
「夢」を持つことが本当に大事なの?
通信制高校の説明に来られた方との話題でこんなエピソードがありました。
その方は元校長先生で、面接時に「夢」について質問すると説明されました。
現役の頃、生徒たちとの個別の面談では「夢はなんですか?」と尋ねていたそうです。しかし、子どもたちからは「今はありません」「わかりません」という答えが多かったようです。そこで、事前にクラスに出向き、「そういう答えはNG」と指導した結果、皆が「夢」を語るようになったという話を誇らしげに話されました。
この話を聞いて私は、思わず、「ん?夢を持っていないと学校に通えないの?」と疑問に感じました。さらに驚いたのは、「夢」を語らせるために事前に答えを制限してしまうこと。それは子どもが心から思っていることではなく、大人が望む「模範解答」を引き出しているだけのように思えたのです。
Omimiかふぇに参加されている親御さん達からも「夢を語れない子どももいるのです。そんな子どもがいることも知ってほしい」「夢を持つことを強制しないでほしい」という意見が出ていました。
「夢」を持つことで、それを実現させようと頑張る力になるという論調が多くあるのもわかります。夢=願望であり、願望がある方が辛抱ができ最後までやり抜く力が育つということもあります。ですが、強制して描くものではないと感じたのでした。
子どもの「夢」を否定する大人の思い込み
また別のエピソードでは、ある親御さんがこう話されました。
「子どもが声優になりたいなんて夢みたいなことを言うんです。でも、そんな一握りの人にしかなれないものを夢見るなんて、現実を見てほしいと思います。」
これに対して私はこう答えました。
「その“一握りの人”にお子さんがなるかもしれないのに、どうしてその思いを否定するんですか?」
しかし親御さんは続けます。
「ただアニメが好きだから言っているだけなんです。これまでも思いつきでいろんなことを言ってきたので、今回もそうだと思います。」
この会話で気になる点は何でしょうか?
「無理だ」「思いつきだ」「すぐ考えが変わる」――これらはすべて親が子どもに対して抱いている決めつけです。そして、その決めつけが子どもの夢を小さくしてしまう原因になっています。
子どもの夢を応援するために大人ができること
子どもに「夢」を描いてほしいと思うなら、まず絶対に否定をしないでください。たとえその夢が現実離れしているように思えても、子どもの声を聴き、どうすればその夢に近づけるかを一緒に考えてあげることが大切です。
例えば、声優になりたいという子どもに対しては、こう質問をしてみてください。
「どんな声優さんになりたいの?」「そのためには何を学ぶといいのかな?」
このように、夢を実現するための道筋を一緒に考えることが、子どもに安心感を与えます。子どもは「自分のことを理解しようとしてくれている」と感じ、自信を持って進む力を得るのです。
また、私たち親自身が「現実的な夢」や「立派な答え」を求めすぎないことも重要です。親が子どもの夢を尊重し、応援する姿勢を示すことで、子どもは「どんな夢でも肯定される」という安心感の中で成長していけます。
子どもの未来を信じる姿勢を
「夢」を持つことを強制するのではなく、子どもが自分のペースで見つけていける環境を作りましょう。子どもにとって、大人、特に親が自分を信じ、支えてくれる存在であることが、何よりの力になるのです。